現代語 教巻

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出典:梯實圓著 教行信証「教行の巻」第一刷 発行:本願寺出版社
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御自釈

(1) つつしんで、浄土真宗の法義を窺うと阿弥陀仏の本願力のはたらきとして二種の回向があります。

一つに往相回向であり、二つには、還相回向です。その往相の往相の法として与えられたものに真実の教と行と信と証とがあります。

(2)  さて真実の教を顕すならば、それは『無量寿経』である。

 この『無量寿経』が明かそうとされている法義を要約すると、まず阿弥陀仏は、万人を平等に救おうという、諸仏に超え勝れた誓願をおこし、わけても愚かな凡夫を哀れんで、仏のみがしろしめすさとりの蔵を開いて、その無量の徳を南無阿弥陀仏という名号におさめて、施されていることが説かれています。この阿弥陀仏のこころを承けて、この世に出現された釈尊は、さまざまな経を説いて未熟なものを導かれましたが、その本意は、一切の衆生に阿弥陀仏の本願のいわれを聞かせて、往生させ、成仏させるという、真実の利益を恵むために、この経を説かれたといわれています。

 ですからこの経典は、阿弥陀如来の本願(第十八願)のいわれを説くことを肝要としている経であり、それはすなわち南無阿弥陀仏が経の本体であるということを顕しています。


(7)  このようなわけで、上に挙げた経文は、『無量寿経』が真実の教であることを顕す明らかな証文です。まことにこの経は、如来がこの世に出現された正意が説き顕されており、奇特にして最勝なる仏徳を顕す経典であり、一切の衆生を仏にならせる唯一の道を説く究極の教説であり、極めて速やかに円融無擬のさとりを得させる尊い御言葉であり、末法の時代に生きる凡夫にまことの救いをもたらす時機相応の真実教であると知るべきです。