讃阿弥陀仏偈と浄土和讃のソースを表示

{{Kaisetu|　「弥陀成仏のこのかたは……」ではじまる『浄土和讃』は、「正信念仏偈」とともに浄土真宗の門徒には親しく耳になずんだ和讃である。この『浄土和讃』の「讃阿弥陀仏偈 和讃(阿弥陀仏を讃嘆する偈の和讃)」は、曇鸞大師作の「讃阿弥陀仏偈」の漢讃(漢文による仏徳讃歎の詩)を御開山が日本語化したものである。日本語化したから和讃(日本語での仏徳讃歎)とよぶ。
以下にその漢讃(かんさん)と和讃(わさん)を対照してあるので、『浄土和讃』を拝読し味わうときの参考になれば幸いである。}}

<span id="P--183"></span>
==讃阿弥陀仏偈==

　　　曇鸞法師作

===仏荘厳===

南無阿弥陀仏｛[[釈して…いふ|釈名無量寿傍経奉讃亦曰安養]]｝
====阿弥陀陀仏と国土====
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no1|【1】]]

現在西方去此界　十万億刹安楽土<br>
仏世尊号阿弥陀　我願往生帰命礼
{{Inyou|
:現に西方この界を去ること、[[十万億刹]]の安楽土にまします。
:仏世尊を阿弥陀と号けたてまつる。われ往生せんと願じて帰命し礼したてまつる。
}}

====光寿二無量の徳====
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no2|【2】]]
<br>
成仏已来歴十劫　寿命方将無有量<br>
法身光輪遍法界　照世盲冥故頂礼<br>
{{Inyou|
:成仏よりこのかた十劫を歴たまへり。寿命まさに量りあることなし。
:法身の光輪法界にあまねくして、[[世の盲冥]]を照らす。ゆゑに[[頂礼]]したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no3|(3)]]
:弥陀成仏のこのかたは<br>
:　いまに十劫をへたまへり<br>
:　法身の光輪きはもなく<br>
:　世の盲冥をてらすなり
====十二光====
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no3|【3】]]<br>
智恵光明不可量　故仏又号'''無量光'''<br>
有量諸相蒙光暁　是故稽首真実明<br>
{{Inyou|
:智慧の光明量るべからず。ゆゑに仏をまた無量光と号けたてまつる。
:[[有量の諸相]][[光暁]]を蒙る。このゆゑに[[真実明]]を稽首したてまつる。
}}

<span id="P--184"></span>
:[[浄土和讃#no4|(4)]]<br>
:智慧の光明はかりなし<br>
:　有量の諸相ことごとく<br>
:　光暁かぶらぬものはなし<br>
:　'''真実明'''に帰命せよ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no4|【4】]]
<br>
解脱光輪無限斉　故仏又号'''無辺光'''<br>
蒙光触者離有無　是故稽首平等覚<br>
{{Inyou|
:解脱の光輪限斉なし。ゆゑに仏をまた無辺光と号けたてまつる。
:光触を蒙るもの[[有無]]を離る。このゆゑに[[平等覚]]を稽首したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no5|(5)]]<br>
:解脱の光輪きはもなし<br>
:　光触かぶるものはみな<br>
:　有無をはなるとのべたまふ<br>
:　'''平等覚'''に帰命せよ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no5|【5】]]
<br>
光雲無礙如虚空　故仏又号'''無礙光'''<br>
一切有礙蒙光沢　是故頂礼難思議<br>
{{Inyou|
:[[光雲]][[無礙]]にして虚空のごとし。ゆゑに仏をまた無礙光と号けたてまつる。
:一切の[[有礙]][[光沢]]を蒙る。このゆゑに[[難思議]]を頂礼したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no6|(6)]]<br>
:光雲無碍如虚空<br>
:　一切の有碍にさはりなし<br>
:　光沢かぶらぬものぞなき<br>
:　'''難思議'''を帰命せよ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no6|【6】]]
<br>
清浄光明無有対　故仏又号'''無対光'''<br>
遇斯光者業繋除　是故稽首畢竟依<br>
{{Inyou|
:清浄の光明対ぶものあることなし。ゆゑに仏をまた無対光と号けたてまつる。
:この光に遇ふもの[[業繋]]除こる。このゆゑに[[畢竟依]]を稽首したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no7|(7)]]<br>
:清浄光明ならびなし<br>
:　遇斯光のゆゑなれば<br>
:　一切の業繋ものぞこりぬ<br>
:　'''畢竟依'''を帰命せよ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no7|【7】]]
<br>
仏光照曜最第一　故仏又号'''光炎王'''<br>
三塗黒闇蒙光啓　是故頂礼大応供<br>
{{Inyou|
:仏光照曜すること最第一なり。ゆゑに仏をまた[[光炎王]]と号けたてまつる。
:三塗の黒闇[[光啓]]を蒙る。このゆゑに[[大応供]]を頂礼したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no8|(8)]]<br>
:仏光照曜最第一<br>
:　光炎王仏となづけたり<br>
:　三塗の黒闇ひらくなり<br>
:　'''大応供'''を帰命せよ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no8|【8】]]
<br>
道光明朗色超絶　故仏又号'''清浄光'''<br>
<span id="P--185"></span>
一蒙光照罪垢除　皆得解脱故頂礼<br>
{{Inyou|
:[[道光]]明朗にして、色超絶したまへり。ゆゑに仏をまた清浄光と号けたてまつる。
:一たび光照を蒙れば、罪垢除こりてみな解脱を得。ゆゑに頂礼したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no9|(9)]]<br>
:道光明朗超絶せり<br>
:　'''清浄光仏'''とまうすなり<br>
:　ひとたび光照かぶるもの<br>
:　業垢をのぞき解脱をう
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no9|【9】]]
<br>
慈光遐被施安楽　故仏又号'''歓喜光'''<br>
光所至処得法喜　稽首頂礼大安慰<br>
{{Inyou|
:慈光はるかに被らしめ、安楽を施したまふ。ゆゑに仏をまた歓喜光と号けたてまつる。
:光の至るところの処法喜を得。[[大安慰]]を稽首し頂礼したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no10|(10)]]<br>
:慈光はるかにかぶらしめ<br>
:　ひかりのいたるところには<br>
:　法喜をうとぞのべたまふ<br>
:　'''大安慰'''を帰命せよ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no10|【10】]]
<br>
仏光能破無明闇　故仏又号'''智恵光'''<br>
一切諸仏三乗衆　咸共歎誉故稽首<br>
{{Inyou|
:仏光よく無明の闇を破す。ゆゑに仏をまた智慧光と号けたてまつる。
:一切諸仏・三乗衆、ことごとくともに歎誉したまへり。ゆゑに稽首したてまつる
}}
:[[浄土和讃#no11|(11)]]<br>
:無明の闇を破するゆゑ<br>
:　智慧光仏となづけたり<br>
:　一切諸仏三乗衆<br>
:　ともに嘆誉したまへり
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no11|【11】]]
<br>
光明一切時普照　故仏又号'''不断光'''<br>
聞光力故心不断　皆得往生故頂礼<br>
{{Inyou|
:光明一切の時にあまねく照らす。ゆゑに仏をまた不断光と号けたてまつる。
:光力を聞くがゆゑに、心断えずしてみな往生を得。ゆゑに頂礼したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no12|(12)]]<br>
:光明てらしてたえざれば<br>
:　不断光仏となづけたり<br>
:　聞光力のゆゑなれば<br>
:　心不断にて往生す
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no12|【12】]]
<br>
其光除仏莫能測　故仏又号'''難思議'''<br>
<span id="P--186"></span>
十方諸仏歎往生　称其功徳故稽首<br>
{{Inyou|
:その光仏を除きてはよく測るものなし。ゆゑに仏をまた[[難思議]]と号けたてまつる。
:十方諸仏往生を歎じ、その功徳を称したまへり。ゆゑに稽首したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no13|(13)]]<br>
:仏光測量なきゆゑに<br>
:　'''難思光仏'''となづけたり<br>
:　諸仏は往生嘆じつつ<br>
:　弥陀の功徳を称せしむ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no13|【13】]]
<br>
神光離相不可名　故仏又号'''無称光'''<br>
因光成仏光赫然　諸仏所歎故頂礼<br>
{{Inyou|
:[[神光…|神光]]、相を離れたれば、名づくべからず。ゆゑに仏をまた無称光と号けたてまつる。
:[[光によりて…|光によりて]]成仏したまへば、光[[赫然]]たり。諸仏の歎じたまふところなり。ゆゑに頂礼したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no14|(14)]]<br>
:神光の離相をとかざれば<br>
:　'''無称光仏'''となづけたり<br>
:　因光成仏のひかりをば<br>
:　諸仏の嘆ずるところなり
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no14|【14】]]
<br>
光明照曜過日月　故仏号'''超日月光'''<br>
釈迦仏歎尚不尽　故我稽首無等等<br>
{{Inyou|
:光明照曜すること日月に過ぎたり。ゆゑに仏を超日月光と号けたてまつる。
:釈迦仏歎じたまふもなほ尽きず。ゆゑにわれ[[無等等]]を稽首したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no15|(15)]]<br>
:光明月日に勝過して<br>
:　'''超日月光'''となづけたり<br>
:　釈迦嘆じてなほつきず<br>
:　'''無等等'''を帰命せよ

===菩薩荘厳===
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no15|【15】]]
<br>
阿弥陀仏初会衆　声聞菩薩数無量<br>
神通巧妙不能算　是故稽首広大会<br>
{{Inyou|
:阿弥陀仏の[[初会]]の衆は、声聞・菩薩の数無量なり。
:神通巧妙にして算ふることあたはず。このゆゑに[[広大会]]を稽首したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no16|(16)]]<br>
:弥陀初会の聖衆は<br>
:　算数のおよぶことぞなき<br>
:　浄土をねがはんひとはみな<br>
:　'''広大会'''を帰命せよ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no16|【16】]]
<br>
安楽無量摩訶薩　咸当一生補仏処<br>
除其本願大弘誓　普欲度脱諸衆生<br>
斯等宝林功徳聚　一心合掌頭面礼<br>
{{Inyou|
:安楽の無量の[[摩訶薩]]は、みなまさに[[一生に…|一生に]]して仏処を補ふべし。
:その本願の[[大弘誓]]をもつて、あまねくもろもろの衆生を[[度脱]]せんと欲するを除く。
:これらの[[宝林功徳聚]]を、一心に合掌し頭面をもつて礼したてまつる。
}}
<span id="P--187"></span>
:[[浄土和讃#no17|(17)]]<br>
:安楽無量の大菩薩<br>
:　一生補処にいたるなり<br>
:　普賢の徳に帰してこそ<br>
:　穢国にかならず化するなれ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no17|【17】]]
<br>
安楽国土諸声聞　皆光一尋若流星<br>
菩薩光輪四千里　若秋満月映紫金<br>
集仏法蔵為衆生　故我頂礼大心海<br>
{{Inyou|
:安楽国土のもろもろの声聞は、みな光[[一尋]]にして流星のごとし。
:菩薩の光輪は四千里にして、秋の満月の紫金に映ずるがごとし。
:仏の[[法蔵]]を集めて衆生のためにす。ゆゑにわれ[[大心海]]を頂礼したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no18|(18)]]<br>
:十方衆生のためにとて<br>
:　如来の法蔵あつめてぞ<br>
:　本願弘誓に帰せしむる<br>
:　'''大心海'''を帰命せよ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no18|【18】]]
<br>
又観世音大勢至　於諸聖衆最第一<br>
慈光照曜大千界　侍仏左右顕神儀<br>
度諸有縁不暫息　如大海潮不失時<br>
如是大悲大勢至　一心稽首頭面礼<br>
{{Inyou|
:また観世音・大勢至は、もろもろの聖衆において最第一なり。
:慈光[[大千界]]を照曜し、仏の左右に侍して[[神儀]]を顕す。
:もろもろの有縁を度してしばらくも息まざること、大海の潮の時を失せざるがごとし。
:かくのごとき大悲（観音）・大勢至を、一心に稽首し頭面をもつて礼したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no19|(19)]]<br>
:観音・勢至もろともに<br>
:　慈光世界を照曜し<br>
:　有縁を度してしばらくも<br>
:　休息あることなかりけり
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no19|【19】]]
<br>
其有衆生生安楽　悉具三十有二相<br>
<span id="P--188"></span>
智恵満足入深法　究暢道要無障礙<br>
随根利鈍成就忍　三忍乃至不可説<br>
宿命五通常自在　至仏不更雑悪趣<br>
除生他方五濁世　示現同如大牟尼<br>
生安楽国成大利　是故至心頭面礼<br>
{{Inyou|
:それ衆生ありて安楽に生ずれば、ことごとく[[三十有二相]]を具す。
:智慧満足して深法に入る。[[道要を究暢して]]障礙なし。
:[[根の利鈍]]に随ひて忍を成就す。[[三忍]]乃至不可説なり。
:[[宿命五通]]つねに自在にして、仏に至るまで[[雑悪趣]]に更らず。
:他方の五濁の世に生じて、示現して同じく大牟尼（釈尊）のごとくなるを除く。
:安楽国に生じて大利を成ず。このゆゑに心を至して頭面をもつて礼したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no20|(20)]]<br>
:安楽浄土にいたるひと<br>
:　五濁悪世にかへりては<br>
:　釈迦牟尼仏のごとくにて<br>
:　利益衆生はきはもなし
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no20|【20】]]
<br>
安楽菩薩承仏神　於一念頃詣十方<br>
不可算数仏世界　恭敬供養諸如来<br>
花香伎楽従念現　宝蓋幢幡随意出<br>
珍奇絶世無能名　散花供養殊星宝<br>
化成花蓋光晃耀　香気普薫莫不周<br>
<span id="P--189"></span>
花蓋小者四百里　乃有遍覆一仏界<br>
随其前後次化去　是諸菩薩僉欣悦<br>
於虚空中奏天楽　雅讃徳頌揚仏恵<br>
聴受経法供養已　未食之前騰虚還<br>
神力自在不可測　故我頂礼無上道<br>
{{Inyou|
:安楽の菩薩は仏の[[神]]を承けて、一念のあひだに十方に詣る。
:算数すべからざる仏世界にして、もろもろの如来を恭敬し供養したてまつる。
:華・香・[[伎楽]]、念に従ひて現じ、[[宝蓋幢幡|宝蓋・幢幡]]、意に随ひて出づ。
:珍奇なること世に絶れてよく名づくることなし。散華して殊勝の宝を供養したてまつれば、
:化して[[華蓋]]となり、光[[晃耀し]]、香気あまねく薫じてあまねからざるはなし。
:華蓋の小なるものも四百里なり。すなはちあまねく[[一仏界]]を覆ふことあり。
:その前後に随ひて次いで化し去る。このもろもろの菩薩みな[[欣悦]]す。
:虚空のなかにおいて天楽を奏し、徳を[[雅讃]]し、[[仏慧頌揚す|仏慧を頌揚す]]。
:経法を聴受して供養しをはりて、いまだ食せざる前に虚に騰りて還る。
:[[神力]]自在にして測るべからず。ゆゑにわれ[[無上道]]を頂礼したてまつる。
}}

:[[浄土和讃#no21|(21)]]<br>
:神力自在なることは<br>
:　測量すべきことぞなき<br>
:　不思議の徳をあつめたり<br>
:　'''無上尊'''を帰命せよ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no21|【21】]]
<br>
安楽仏国諸菩薩　夫可宣説随智恵<br>
於己万物亡我所　浄若蓮花不受塵<br>
往来進止若汎舟　利安為務捨適莫<br>
彼己猶空断二想　燃智恵炬照長夜<br>
三明六通皆已足　菩薩万行貫心眼<br>
<span id="P--190"></span>
如是功徳無辺量　是故至心頭面礼
{{Inyou|
:安楽仏国のもろもろの菩薩、それ宣説すべきことは智慧に随ふ。
:おのが万物において[[我所を亡ず]]。浄きこと蓮華の塵を受けざるがごとし。
:往来進止汎べる舟のごとし。[[利安]]を務めとなして適莫を捨つ。
:かれもおのれも空のごとくして[[二想]]を断ず。智慧の炬を燃して長夜を照らす。
:[[三明六通]]みなすでに足れり。菩薩の万行心眼を貫く。
:かくのごとき功徳辺量なし。このゆゑに心を至して頭面をもつて礼したてまつる。
}}
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no22|【22】]]
<br>
安楽声聞菩薩衆　人天智恵咸洞達<br>
身相荘厳無殊異　但順他方故列名<br>
{{Inyou|
:安楽の声聞・菩薩衆、人天、智慧ことごとく洞達せり。
:身相の荘厳殊異なし。ただ[[他方に…|他方に]]順ずるがゆゑに名を列ぬ。
}}
:[[浄土和讃#no22|(22)]]<br>
:安楽声聞・菩薩衆<br>
:　人・天智慧ほがらかに<br>
:　身相荘厳みなおなじ<br>
:　他方に順じて名をつらぬ
顔容端正無可比　精微妙躯非人天<br>
虚無之身無極体　是故頂礼平等力<br>
{{Inyou|
:顔容端正にして比ぶべきなし。[[精微妙躯]]にして人天にあらず。
:[[虚無の身無極の体]]なり。このゆゑに平等力を頂礼したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no23|(23)]]<br>
:顔容端正たぐひなし<br>
:　精微妙躯非人天<br>
:　虚無之身無極体<br>
:　'''平等力'''を帰命せよ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no23|【23】]]
<br>
敢能得生安楽国　皆悉住於正定聚<br>
邪定不定其国無　諸仏咸讃故頂礼<br>
{{Inyou|
:敢みてよく安楽国に生ずることを得れば、みなことごとく正定聚に住す。
:[[邪定不定|邪定・不定]]その国になし。諸仏ことごとく讃じたまふ。ゆゑに頂礼したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no24|(24)]]<br>
:安楽国をねがふひと<br>
:　正定聚にこそ住すなれ<br>
:　邪定・不定聚くにになし<br>
:　諸仏讃嘆したまへり
<span id="18gwan"></span>
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no24|【24】]]
<br>
諸聞阿弥陀徳号　信心歓喜慶所聞<br>
乃曁一念至心者　廻向願生皆得生<br>
唯除五逆謗正法　故我頂礼願往生<br>
{{Inyou|
:[[あらゆるもの…ことを得|あらゆるもの]]、阿弥陀の徳号を聞きて、信心歓喜して聞くところを慶び、
:すなはち一念に曁(およ)ぶまで心を至すもの、回向して生ぜんと願ずればみな生ずることを得。
:ただ五逆と[[謗正法]]とを除く。ゆゑにわれ頂礼して往生を願ず。
}}
:[[浄土和讃#no25|(25)]]<br>
:十方諸有の衆生は<br>
:　阿弥陀至徳の御名をきき<br>
:　真実信心いたりなば<br>
:　おほきに所聞を慶喜せん

:[[浄土和讃#no26|(26)]]<br>
:若不生者のちかひゆゑ<br>
:　信楽まことにときいたり<br>
:　一念慶喜するひとは<br>
:　往生かならずさだまりぬ

:[[浄土和讃#no49|(49)]]<br>
:信心歓喜慶所聞<br>
:　乃曁一念至心者<br>
:　'''南無不可思議光仏'''<br>
:　頭面に礼したてまつれ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no25|【25】]]
<br>
安楽菩薩声聞輩　於此世界無比方<br>
<span id="P--191"></span>
釈迦無礙大弁才　設諸仮令示少分<br>
最賤乞人並帝王　帝王復比金輪王<br>
如是展転至六天　次第相形皆如始<br>
以天色像喩於彼　千万億倍非其類<br>
皆是法蔵願力為　稽首頂礼大心力<br>
{{Inyou|
:安楽の菩薩・声聞の輩、この世界において比方なし。
:釈迦[[無礙の大弁才]]をもつて、もろもろの仮令を設けて少分を示し、
:[[最賤の乞人…|最賤の乞人]]を帝王に並べ、帝王をまた[[金輪王]]に比ぶ。
:かくのごとく[[展転して]][[六天]]に至る。次第してあひ形すことみな始めのごとし。
:[[天の色像]]をもつてかれに喩ふるに、千万億倍すともその類にあらず。
:みなこれ[[法蔵願力]]のなせるなり。[[大心力]]を稽首し頂礼したてまつる。
}}

:[[浄土和讃#no27|(27)]]<br>
:安楽仏土の依正は<br>
:　法蔵願力のなせるなり<br>
:　天上天下にたぐひなし<br>
:　大心力を帰命せよ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no26|【26】]]
<br>
天人一切有所須　無不称欲応念至<br>
一宝二宝無量宝　随心化造受用具<br>
堂宇飲食悉如此　故我稽首無称仏<br>
{{Inyou|
:天・人一切須むるところあれば、欲に称はざるはなし。念に応じて至る。
:一宝・二宝・無量宝、心に随ひて[[受用の具]]を化造す。
:堂宇・飲食ことごとくかくのごとし。ゆゑにわれ[[無称仏]]を稽首したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no27|(27)]]<br>
:安楽国土の荘厳は<br>
:　釈迦無碍のみことにて<br>
:　とくともつきじとのべたまふ<br>
:　'''無称仏'''を帰命せよ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no27|【27】]]
<br>
諸往生者悉具足　清浄色身無可比<br>
神通功徳及宮殿　服飾荘厳如六天<br>
応器宝鉢自然至　百味嘉嘉餚已満<br>
<span id="P--192"></span>
見色聞香意為食　忽然飽足受適悦<br>
所味清浄無所着　事已化去須復現<br>
晏安快楽次泥洹　是故至心頭面礼

[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no28|【28】]]
<br>
十方仏土菩薩衆　及諸比丘生安楽<br>
無量無数不可計　已生今生当亦然<br>
皆曾供養無量仏　摂取百千堅固法<br>
如是大士悉往生　是故頂礼阿弥陀<br>
{{Inyou|
:十方仏土の菩薩衆およびもろもろの比丘、安楽に生ずるもの、
:無量無数にして計るべからず。[[已生今生当|已生・今生・当]]もまたしかなり。
:みなかつて無量の仏を供養し、百千堅固の法を[[摂取]]す。
:かくのごとき[[大士]]ことごとく往生す。このゆゑに阿弥陀を頂礼したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no29|(29)]]<br>
:已今当の往生は<br>
:　この土の衆生のみならず<br>
:　十方仏土よりきたる<br>
:　無量無数不可計なり
<span id="no29"></span><span id="futai"></span>
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no29|【29】]]
<br>
若聞阿弥陀仏号　歓喜讃仰心帰依<br>
下至一念得大利　則為具足功徳宝<br>
設満大千世界火　亦応直過聞仏名<br>
<span id="P--193"></span>
聞阿弥陀不復退　是故至心稽首礼<br>
{{Inyou|
:もし阿弥陀仏の号を聞きて、歓喜し讃仰し、心帰依すれば、
:下一念に至るまで大利を得。すなはち功徳の宝を具足すとなす。
:たとひ[[大千世界]]に満てらん火をも、またただちに過ぎて仏の名を聞くべし。
:阿弥陀を聞けば、また[[退かず]]。このゆゑに心を至して稽首し礼したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no30|(30)]]<br>
:阿弥陀仏の御名をきき<br>
:　歓喜讃仰せしむれば<br>
:　功徳の宝を具足して<br>
:　一念大利無上なり<br>
:[[浄土和讃#no31|(31)]]<br>
:たとひ大千世界に<br>
:　みてらん火をもすぎゆきて<br>
:　仏の御名をきくひとは<br>
:　ながく不退にかなふなり
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no30|【30】]]
<br>
神力無極阿弥陀　十方無量仏所歎<br>
東方恒沙諸仏国　菩薩無数皆往覲<br>
亦復供養安楽国　菩薩声聞諸大衆<br>
聴受経法宣道化　自余九方亦如是<br>
釈迦如来説偈頌　無量功徳故頂礼<br>
{{Inyou|
:[[神力無極]]の阿弥陀は、十方無量の仏の歎じたまふところなり。
:東方恒沙の諸仏の国、菩薩無数にしてみな[[往覲]]す。
:また安楽国の菩薩・声聞・もろもろの大衆を供養し、
:[[経法]]を聴受して[[道化を宣ぶ]]。[[自余の九方]]もまたかくのごとし。
:釈迦如来、[[偈]]を説きて、無量の功徳を頌したまふ。ゆゑに頂礼したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no32|(32)]]<br>
:神力無極の阿弥陀は<br>
:　無量の諸仏ほめたまふ<br>
:　東方恒沙の仏国より<br>
:　無数の菩薩ゆきたまふ

:[[浄土和讃#no33|(33)]]<br>
:自余の九方の仏国も<br>
:　菩薩の往覲みなおなじ<br>
:　釈迦牟尼如来偈をときて<br>
:　無量の功徳をほめたまふ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no31|【31】]]
<br>
諸来無量菩薩衆　為殖徳本致虔恭<br>
或奏天楽歌歎仏　或頌仏恵照世間<br>
或以天花衣供養　或覩浄土興等願<br>
如是聖衆悉現前　蒙八梵声授仏記<br>
一切菩薩増願行　故我頂礼婆伽婆<br>
{{Inyou|
:諸来の無量菩薩衆、[[徳本]]を殖ゑんがために虔恭を致す。
:あるいは天楽を奏して仏を歌歎し、あるいは仏慧の世間を照らすを頌す。
:あるいは天の華・衣をもつて供養し、あるいは浄土を覩て[[等願]]を興す。
:かくのごとき聖衆ことごとく現前し、[[八梵声]]をもつて[[仏記を授くる]]を蒙る。
:一切の菩薩願行を増す。ゆゑにわれ[[婆伽婆]]を頂礼したてまつる。
}}
<span id="P--194"></span>

:[[浄土和讃#no34|(34)]]<br>
:十方の無量菩薩衆<br>
:　徳本うゑんためにとて<br>
:　恭敬をいたし歌嘆す<br>
:　みなひと'''婆伽婆'''を帰命せよ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no32|【32】]]
<br>
聖主世尊説法時　大衆雲集七宝堂<br>
聴仏開示咸悟入　歓喜充遍皆得道<br>
于時四面起清風　撃動宝樹出妙響<br>
和韻清徹過糸竹　踰於金石無倫比<br>
天花繽紛逐香風　自然供養常不息<br>
諸天復持天花香　百千伎楽用致敬<br>
如是功徳三宝聚　故我運想礼講堂<br>
{{Inyou|
:聖主世尊（阿弥陀仏）説法の時、大衆七宝の堂に雲集す。
:仏の開示を聴きてことごとく悟入し、歓喜充遍してみな[[道]]を得。
:時に四面より清風起り、宝樹を撃動して妙響を出す。
:[[和韻]]清徹にして[[糸竹]]に過ぎ、[[金石]]に踰えて倫比なし。
:天華[[繽紛]]として香風を逐ひ、自然の供養つねにして息まず。
:諸天また天の華香を持し、百千の伎楽もつて敬ひを致す。
:かくのごとき功徳三宝の聚なり。ゆゑにわれ想を運らして[[講堂]]を礼したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no35|(35)]]<br>
:七宝講堂'''道場樹'''<br>
:　方便化身の浄土なり<br>
:　十方来生きはもなし<br>
:　'''講堂'''道場礼すべし

===国土荘厳===
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no33|【33】]]
<br>
妙土広大超数限　自然七宝所合成<br>
仏本願力荘厳起　稽首清浄大摂受<br>
{{Inyou|
:妙土広大にして[[数限を超ゆ]]。自然の七宝をもつて合成するところなり。
:仏の本願力より荘厳起る。[[清浄大摂受]]を稽首したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no36|(36)]]<br>
:妙土広大超数限<br>
:　本願荘厳よりおこる<br>
:　'''清浄大摂受'''に<br>
:　稽首帰命せしむべし
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no34|【34】]]
<br>
世界光曜妙殊絶　適悦晏安無四時<br>
自利他利力円満　帰命方便巧荘厳<br>
宝地澄静平如掌　無有山川陵谷阻<br>
<span id="P--195"></span>
若仏神力須則見　稽首不可思議尊<br>
{{Inyou|
:世界光曜すること妙にして殊絶す。[[適悦晏安]]として[[四時]]なし。
:自利他利の力円満したまふ。[[方便巧荘厳]]を帰命したてまつる。
:宝地澄静にして平らかなること掌のごとく、山・川・陵・谷の阻あることなし。
:もし仏の神力をもつて須むればすなはち見る。不可思議尊を稽首したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no37|(37)]]<br>
:自利利他円満して<br>
:　帰命方便巧荘厳<br>
:　こころもことばもたえたれば<br>
:　'''不可思議尊'''を帰命せよ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no35|【35】]]
<br>
道樹高四百万里　周囲由旬有五千<br>
枝葉布里二十万　自然衆宝所合成<br>
月光摩尼海輪宝　衆宝之王而荘厳<br>
周匝垂間宝瓔珞　百千万種色変異<br>
光焔照曜超千日　無極宝網覆其上<br>
一切荘厳随応現　稽首頂礼道場樹

[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no36|【36】]]
<br>
微風吹樹出法音　普流十方諸仏刹<br>
聞斯音得深法忍　至成仏道不遭苦<br>
神力広大不可量　稽首頂礼道場樹<br>
<span id="P--196"></span>

[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no37|【37】]]
<br>
樹香樹色樹音声　樹触樹味及樹法<br>
六情遇者得法忍　故我頂礼道場樹

[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no38|【38】]]
<br>
蒙道場樹対六根　乃至成仏根清徹<br>
音響柔順無生忍　随力浅深咸得証<br>
此樹威徳所由来　皆是如来五種力<br>
神力本願及満足　明了堅固究竟願<br>
慈悲方便不可称　帰命稽首真無量<br>
{{Inyou|
:道場樹の六根に対するを蒙り、すなはち成仏に至るまで根清徹なり。
:[[音響柔順無生忍|音響・柔順・無生忍]]、力の浅深に随ひてことごとく証を得。
:この樹の威徳の由来するところ、みなこれ如来（阿弥陀仏）[[五種の力]]なり。
:神力と本願および満足と、明了と堅固と究竟願となり。
:慈悲方便称るべからず。[[真無量]]を帰命し稽首したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no38|(38)]]<br>
:神力本願及満足<br>
:　明了堅固究竟願<br>
:　慈悲方便不思議なり<br>
:　'''真無量'''を帰命せよ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no39|【39】]]
<br>
従世帝王至六天　音楽転妙有八種<br>
展転勝千億万倍　宝樹音麗倍亦然<br>
復有自然妙伎楽　法音清和悦心神<br>
哀婉雅亮超十方　故我稽首清浄楽<br>
{{Inyou|
:世の帝王より六天に至るまで、音楽うたた妙にして八種あり。
:[[展転して]]勝るること千億万倍、宝樹の音の麗しきこと倍してまたしかなり。
:また自然の妙なる伎楽あり。法音清和にして[[心神]]を悦ばしめ、
:[[哀婉雅亮]]にして十方に超ゆ。ゆゑにわれ[[清浄楽]]を稽首したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no39|(39)]]<br>
:宝林・宝樹微妙音<br>
:　自然清和の伎楽にて<br>
:　哀婉雅亮すぐれたり<br>
:　'''清浄楽'''を帰命せよ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no40|【40】]]
<br>
七宝樹林周世界　光耀鮮明相映発<br>
<span id="P--197"></span>
花菓枝葉更互為　稽首本願功徳聚<br>
{{Inyou|
:七宝の樹林世界にあまねし。光耀鮮明にしてあひ映発す。
:華・菓・枝・葉たがひになる。[[本願功徳聚]]を稽首したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no40|(40)]]<br>
:七宝樹林くににみつ<br>
:　光耀たがひにかがやけり<br>
:　華菓枝葉またおなじ<br>
:　'''本願功徳聚'''を帰命せよ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no41|【41】]]
<br>
清風時時吹宝樹　出五音声宮商和<br>
微妙雅曲自然成　故我頂礼清浄勲<br>
{{Inyou|
:清風時々に宝樹を吹くに、[[五の音声]]を出して宮商和す。
:微妙の雅曲自然に成ず。ゆゑにわれ[[清浄勲]]を頂礼したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no41|(41)]]<br>
:清風宝樹をふくときは<br>
:　いつつの音声いだしつつ<br>
:　宮商和して自然なり<br>
:　'''清浄勲'''を礼すべし
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no42|【42】]]
<br>
其土広大無崖際　衆宝羅網遍覆上<br>
金縷殊璣奇異珍　不可名宝為校飾<br>
周匝四面垂宝鈴　調風吹動出妙法<br>
和雅徳香常流布　聞者塵労習不起<br>
此風触身受快楽　如比丘得滅尽定<br>
風吹散花満仏土　随色次第不雑乱<br>
花質柔軟列芬芳　足履其上下四指<br>
随挙足時還如故　用訖地開没無遺<br>
随其時節花六返　不可議報故頂礼<br>
<span id="P--198"></span>
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no43|【43】]]
<br>
衆宝蓮花盈世界　一一花百千億葉<br>
其葉光明色無量　朱紫紅緑間五色<br>
煒燁煥爛曜日光　是故一心稽首礼

[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no44|【44】]]
<br>
一一花中所出光　三十六百有千億<br>
一一花中有仏身　多少亦如所出光<br>
仏身相好如金山　一一又放百千光<br>
普為十方説妙法　各安衆生於仏道<br>
如是神力無辺量　故我帰命阿弥陀<br>
{{Inyou|
:一々の華のなかより出すところの光、三十六百有千億なり。
:一々の華のなかに仏身あり。多少また出すところの光のごとし。
:仏身の相好金山のごとし。一々また百千の光を放ち、
:あまねく十方のために妙法を説き、おのおの衆生を仏道に安んず。
:かくのごとき神力辺量なし。ゆゑにわれ阿弥陀を帰命したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no42|(42)]]<br>
:一々のはなのなかよりは<br>
:　三十六百千億の<br>
:　光明てらしてほがらかに<br>
:　いたらぬところはさらになし

:[[浄土和讃#no43|(43)]]<br>
:一々のはなのなかよりは<br>
:　三十六百千億の<br>
:　仏身もひかりもひとしくて<br>
:　相好金山のごとくなり

:[[浄土和讃#no44|(44)]]<br>
:相好ごとに百千の<br>
:　ひかりを十方にはなちてぞ<br>
:　つねに妙法ときひろめ<br>
:　衆生を仏道にいらしむる
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no45|【45】]]
<br>
楼閣殿堂非工造　七宝彫綺化所成<br>
明月殊璫交露漫　各有浴池形相称<br>
八功徳水満池中　色味香潔如甘露<br>
黄金池者白銀沙　七宝池沙互如此<br>
<span id="P--199"></span>
池岸香樹垂布上　栴檀芬馥常流馨<br>
天花彩璨為映飾　水上熠燿若景雲<br>
無漏依果難思議　是故稽首功徳蔵<br>
{{Inyou|
:楼閣・殿堂工の造にあらず。七宝の彫綺化してなるところなり。
:[[明月]]・[[珠璫]]、[[交露の縵]]あり。おのおの浴池あり、形あひ称ふ。
:八功徳の水池のなかに満てり。色味香潔にして甘露のごとし。
:黄金の池には白銀の沙あり。七宝の池の沙たがひにかくのごとし。
:池岸の香樹上に垂れ布き、[[栴檀]][[芬馥]]としてつねに馨りを流す。
:天華[[彩璨]]として映飾をなす。水上[[熠燿]]として景雲のごとし。
:[[無漏の依果]]、思議しがたし。このゆゑに[[功徳蔵]]を稽首したてまつる。
}}
:[[浄土和讃#no45|(45)]]<br>
:七宝の宝池いさぎよく<br>
:　八功徳水みちみてり<br>
:　無漏の依果不思議なり<br>
:　'''功徳蔵'''を帰命せよ
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no46|【46】]]
<br>
菩薩声聞入宝池　随意浅深如所欲<br>
若須灌身自然注　欲令旋復水尋還<br>
調和冷暖無不称　神開体悦蕩心垢<br>
清明澄潔若無形　宝沙映徹如不深<br>
澹淡廻転相注灌　嬋約容予和人神<br>
微波無量出妙響　随其所応聞法語<br>
或聞三宝之妙章　或聞寂静空無我<br>
<span id="P--200"></span>
或聞無量波羅密　力不共法諸通恵<br>
或聞無作無生忍　乃至甘露灌頂法<br>
随根性欲皆歓喜　順三宝相真実義<br>
菩薩声聞所行道　於是一切悉具聞<br>
三塗苦難名永閉　但有自然快楽音{{BT|46}}<br>
是故其国号安楽　頭面頂礼無極尊<br>
{{SH|46|
{{Inyou|
:三塗苦難の名永く閉ぢ、ただ自然快楽の音のみあり。
:このゆゑにその国を安楽と号く。頭面をもつて[[無極尊]]を頂礼したてまつる。
}}
}}
:[[浄土和讃#no46|(46)]]<br>
:三塗苦難ながくとぢ<br>
:　但有自然快楽音<br>
:　このゆゑ安楽となづけたり<br>
:　'''無極尊'''を帰命せよ
====龍樹菩薩の徳====
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no47|【47】]]
<br>
本師龍樹摩訶薩　誕形像始理頽綱<br>
関閉邪扇開正轍　是閻浮提一切眼<br>
伏承尊悟歓喜地　帰阿弥陀生安楽<br>
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no48|【48】]]
<br>
譬如竜動雲必随　閻浮提放百卉舒<br>
南無慈悲龍樹尊　至心帰命頭面礼

===結讃===
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no49|【49】]]
<br>
我従無始循三界　為虚妄輪所廻転<br>
<span id="P--201"></span>
一念一時所造業　足繋六道滞三塗<br>
唯願慈光護念我　令我不失菩提心<br>
我讃仏恵功徳音　願聞十方諸有縁<br>
欲得往生安楽者　普皆如意無障礙<br>
所有功徳若大少　廻施一切共往生<br>
'''南無不可思議光'''　一心帰命稽首礼
{{Inyou|
:われ無始より三界に循りて、[[虚妄輪]]のために回転せらる。
:一念一時に造るところの業、足六道に繋がれ三塗に滞まる。
:ただ願はくは慈光、われを護念して、われをして菩提心を失せざらしめたまへ。
:わが[[仏慧]]功徳を讃ずる音、願はくは十方のもろもろの有縁に聞かしめて、
:安楽に往生することを得んと欲するもの、あまねくみな意のごとくにして[[障礙]]なからしめん。
:あらゆる功徳もしは大少、一切に[[回施]]してともに往生せん。
:[[不可思議光]]に南無し、一心に帰命し稽首して礼したてまつる。
}}
[[讃阿弥陀仏偈 (七祖)#no50|【50】]]

十方三世無量恵　同乗一如号正覚<br>
二智円満道平等　摂化随縁故若干<br>
我帰阿弥陀浄土　即是帰命諸仏国<br>
我以一心讃一仏　願遍十方無礙人<br>
如是十方無量仏　咸各至心頭面礼<br>
<div id ="no100div" class="showhide1">
{{Inyou|
:十方三世の[[無量慧]]、同じく一如に乗じて正覚を号したまふ。
:[[二智]]円満して[[道平等]]なり。[[摂化…|摂化]]縁に随ふがゆゑに若干なり。
:われ阿弥陀の浄土に帰するは、すなはちこれ諸仏の国に帰命するなり。
:われ一心をもつて一仏を讃ず。願はくは[[十方無礙人]]にあまねからん。
:かくのごとき十方無量の仏、ことごとくおのおの心を至して頭面をもつて礼したてまつる。
}}
</div>
<span id="P--202"></span>
:[[浄土和讃#no47|(47)]]<br>
:十方三世の無量慧<br>
:　おなじく一如に乗じてぞ<br>
:　二智円満道平等<br>
:　摂化随縁不思議なり

:[[浄土和讃#no48|(48)]]<br>
:弥陀の浄土に帰しぬれば<br>
:　すなはち諸仏に帰するなり<br>
:　一心をもちて一仏を<br>
:　ほむるは無碍人をほむるなり


:[[浄土和讃#no50|(50)]]<br>
:仏慧功徳をほめしめて<br>
:　十方の有縁にきかしめん<br>
:　信心すでにえんひとは<br>
:　つねに仏恩報ずべし

讃阿弥陀仏偈<br>
讃一百九十五　礼五十一拝

讃阿弥陀仏偈
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