「道理」の版間の差分
提供: WikiArc
細 (新しいページ: 'どうり 単に理ともいう。正しいことわり。ものごとが存在し変化してゆく上に必ず準拠している法則。『瑜伽師地論』巻30では...') |
|||
(同じ利用者による、間の3版が非表示) | |||
3行目: | 3行目: | ||
単に理ともいう。正しいことわり。ものごとが存在し変化してゆく上に必ず準拠している法則。『瑜伽師地論』巻30では以下の四種の道理を分ける。 | 単に理ともいう。正しいことわり。ものごとが存在し変化してゆく上に必ず準拠している法則。『瑜伽師地論』巻30では以下の四種の道理を分ける。 | ||
− | *観待道理(相待道理ともいう。真と俗のように相待的に考えられる道理。)、 | + | *観待道理 (相待道理ともいう。真と俗のように相待的に考えられる道理。)、 |
− | *作用道理(因果の関係において存在する作用についての道理)、 | + | *作用道理 (因果の関係において存在する作用についての道理)、 |
− | *証成道理(成就道理ともいう。確認するしかたについての道理。)、 | + | *証成道理 (成就道理ともいう。確認するしかたについての道理。)、 |
− | *法爾道理(法然道理ともいう。火に熱さがあるように、あるがままのすがたで不変の本性を完成しているという道理。) | + | *法爾道理 (法然道理ともいう。火に熱さがあるように、あるがままのすがたで不変の本性を完成しているという道理。) |
+ | ---- | ||
+ | :→[[自然法爾]] | ||
+ | :→[[自業自得の道理]] | ||
+ | |||
+ | {{Inyou| | ||
+ | [http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2012/T1579_.30.0451c19.html 『瑜伽師地論』大正蔵30-451] | ||
+ | |||
+ | |||
+ | 云何名爲尋思於理。謂正尋思四種道理。 | ||
+ | :云何んが名づけて理を尋思すと爲すや。謂く正しく四種の道理を尋思す、 | ||
+ | |||
+ | 一觀待道理。二作用道理。三證成道理。四法爾道理。 | ||
+ | :一には觀待道理、二には作用道理、三には證成道理、四には法爾道理なり。 | ||
+ | |||
+ | 當知此中由觀待道理 尋思世俗以爲世俗。尋思勝義以爲勝義。尋思因縁以爲因縁。 | ||
+ | :當に知るべし、此の中 觀待道理に由つて世俗を尋思して以つて世俗とし、勝義を尋思して以つて勝義と爲し、因縁を尋思して以つて因縁と爲し、 | ||
+ | |||
+ | 由作用道理尋思諸法所有作用。謂如是如是法有如是如是作用。 | ||
+ | :作用道理に由つて諸法の所有(あらゆ)る作用を尋思す、謂く是の如き是の如きの法に是の如き是の如きの作用有りと、 | ||
+ | |||
+ | 由證成道理尋思三量。 | ||
+ | :證成道理に由つて三量を尋思す、 | ||
+ | |||
+ | 一至教量。二比度量。三現證量。 | ||
+ | :一には至教量、二には比度量、三には現證量なり、 | ||
+ | |||
+ | 謂正尋思如是如是義。爲有至教不。爲現證可得不。爲應比度不。 | ||
+ | :謂く正しく是の如き是の如き義に、至教有りと爲んや不や、現證し得べしと爲せんや不や、應に比度すべしと爲せんや不やと尋思す、 | ||
+ | |||
+ | 由法爾道理。於如實諸法 成立法性。難思法性 安住法性 應生信解 不應思議不應分別。 | ||
+ | :法爾の道理に由つて、如實なる諸法の、成立する法性、難思の法性、安住の法性に於いて、應に信解を生ずべく應に思議すべからず、應に分別すべからず、 | ||
+ | |||
+ | 如是名爲尋思於理。 | ||
+ | :是の如きを名けて理を尋思すと爲すと。 | ||
+ | [http://www.archive.org/stream/kokuyakuissaiky1388800uoft#page/n135/mode/2up 『瑜伽師地論』巻30国訳] | ||
+ | }} | ||
+ | |||
+ | {{JDS|道理}} | ||
+ | |||
+ | [[Category:追記]] |
2018年8月10日 (金) 13:54時点における最新版
どうり
単に理ともいう。正しいことわり。ものごとが存在し変化してゆく上に必ず準拠している法則。『瑜伽師地論』巻30では以下の四種の道理を分ける。
- 観待道理 (相待道理ともいう。真と俗のように相待的に考えられる道理。)、
- 作用道理 (因果の関係において存在する作用についての道理)、
- 証成道理 (成就道理ともいう。確認するしかたについての道理。)、
- 法爾道理 (法然道理ともいう。火に熱さがあるように、あるがままのすがたで不変の本性を完成しているという道理。)
云何名爲尋思於理。謂正尋思四種道理。
- 云何んが名づけて理を尋思すと爲すや。謂く正しく四種の道理を尋思す、
一觀待道理。二作用道理。三證成道理。四法爾道理。
- 一には觀待道理、二には作用道理、三には證成道理、四には法爾道理なり。
當知此中由觀待道理 尋思世俗以爲世俗。尋思勝義以爲勝義。尋思因縁以爲因縁。
- 當に知るべし、此の中 觀待道理に由つて世俗を尋思して以つて世俗とし、勝義を尋思して以つて勝義と爲し、因縁を尋思して以つて因縁と爲し、
由作用道理尋思諸法所有作用。謂如是如是法有如是如是作用。
- 作用道理に由つて諸法の所有(あらゆ)る作用を尋思す、謂く是の如き是の如きの法に是の如き是の如きの作用有りと、
由證成道理尋思三量。
- 證成道理に由つて三量を尋思す、
一至教量。二比度量。三現證量。
- 一には至教量、二には比度量、三には現證量なり、
謂正尋思如是如是義。爲有至教不。爲現證可得不。爲應比度不。
- 謂く正しく是の如き是の如き義に、至教有りと爲んや不や、現證し得べしと爲せんや不や、應に比度すべしと爲せんや不やと尋思す、
由法爾道理。於如實諸法 成立法性。難思法性 安住法性 應生信解 不應思議不應分別。
- 法爾の道理に由つて、如實なる諸法の、成立する法性、難思の法性、安住の法性に於いて、應に信解を生ずべく應に思議すべからず、應に分別すべからず、
如是名爲尋思於理。
- 是の如きを名けて理を尋思すと爲すと。