「称讃浄土仏摂受経」の版間の差分
出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』
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又舍利子、若し諸の有情、彼の西方無量壽佛の淸淨佛土の無量の功徳衆に莊嚴せる所を聞かば、皆應に發願して彼の佛土に生ずべし。所以は何ん、若し彼の土に生ずれば、是の如きの無量の功徳衆に莊嚴せらるる諸の大士等と同一に集會することを得。是の如きの無量の功徳衆に莊嚴せらるる淸淨佛土の大乘の法樂を受用して、常に退轉すること無く、無量の行願、念念に増進して、速に無上正等菩提を證すればなり。故に舍利子、彼の佛土に生ずる諸の有情の類は、無量無邊の功徳を成就す。少善根には非ず。諸の有情の類、當に無量壽佛の極樂世界淸淨の佛土に往生することを得べし。 | 又舍利子、若し諸の有情、彼の西方無量壽佛の淸淨佛土の無量の功徳衆に莊嚴せる所を聞かば、皆應に發願して彼の佛土に生ずべし。所以は何ん、若し彼の土に生ずれば、是の如きの無量の功徳衆に莊嚴せらるる諸の大士等と同一に集會することを得。是の如きの無量の功徳衆に莊嚴せらるる淸淨佛土の大乘の法樂を受用して、常に退轉すること無く、無量の行願、念念に増進して、速に無上正等菩提を證すればなり。故に舍利子、彼の佛土に生ずる諸の有情の類は、無量無邊の功徳を成就す。少善根には非ず。諸の有情の類、當に無量壽佛の極樂世界淸淨の佛土に往生することを得べし。 | ||
− | + | 又舍利子、若し淨信有る諸の善男子或は善女人、是の如きの無量壽佛の無量無邊不可思議の功徳の名號、極樂世界の功徳莊嚴を聞くことを得、聞き已りて思惟して、若しは一日夜、或は二、或は三、或は四、或は五、或は六、或は七、{{DotUL|念を繋けて亂れざれば、是の善男子或は善女人、命終の時に臨みて、無量壽佛、其の無量の聲聞の弟子菩薩衆と倶に、前後に圍繞し、其の前に來住して、慈悲加祐し、心をして亂れざらしむ。}}<ref>法然聖人は、この文によって『阿弥陀経』の執持名号の意の心不顛倒の正念に住すとは、なんまんだぶを称えることによっての来迎を望むから正念に住すのではなく、来迎があるから三愛を離れて正念であるとされた。</ref>既に命を捨て已りて、佛の衆會に隨ひて、無量壽の極樂世界淸淨の佛土に生ず。 | |
又舍利子、我是の如きの利益安樂の大事因縁を觀て、誠諦の語を説く。若し淨信の諸の善男子或は善女人、是の如きの無量壽佛の不可思議の功徳名號、極樂世界の淨佛土を聞くことを得る者、一切皆應に信受して願を發し、説の如く修行して彼の佛土に生ずべし。 | 又舍利子、我是の如きの利益安樂の大事因縁を觀て、誠諦の語を説く。若し淨信の諸の善男子或は善女人、是の如きの無量壽佛の不可思議の功徳名號、極樂世界の淨佛土を聞くことを得る者、一切皆應に信受して願を發し、説の如く修行して彼の佛土に生ずべし。 |
2012年12月21日 (金) 22:24時点における版
『阿弥陀経』の証誠段では、六方三十八仏の名が列挙されているが、本経では十方四十二仏の名が列挙されている。御開山は、この経の「假使ひ百千倶胝那庾多劫を經て、其の無量百千倶胝那庾多の舌を以て、一一の舌の上に無量の聲を出して、其の功徳を讃ずるも、亦盡くすこと能はず。」を大変慶ばれて、国宝本の和讃の冒頭に著され、また「諸経和讃」に和讃されておられる。
- 百千倶胝の劫をへて
- 百千倶胝のしたをいだし
- したごと無量のこゑをして
- 弥陀をほめんになほつきじ
- 稱讃淨土佛攝受經
大唐三藏法師 玄奘奉詔譯
是の如く我聞きたまへき。一時、薄伽梵、室羅筏に在りて誓多林給孤獨園に住したまひ、大苾芻衆千二百五十人と倶なりき。一切皆是尊宿聲聞、衆の望み識る所の大阿羅漢なり。
其の名を尊者舍利子・摩訶目犍連・摩訶迦葉・阿泥律陀と曰ふ。是の如き等の諸の大聲聞而も上首爲り。復無量の菩薩摩訶薩と倶なりき。一切皆不退轉位に住して、無量の功徳、衆に莊嚴せらる。其の名を妙吉祥菩薩・無能勝菩薩・常精進菩薩・不休息菩薩と曰ひき。是の如き等の諸の大菩薩而も上首爲り。復帝釋・大梵天王・堪忍界主・護世四王有りき。是の如きの上首、百千倶胝那庾多數なり。諸天子衆及び餘の世間の無量の天・人・阿素洛等、聞法の爲の故に、倶に來りて會坐せり。
爾の時世尊、舍利子に告げたまはく。汝今知るやいなや、是より西方、此の世界を去ること百千倶胝那庾多の佛土を過ぎて佛世界有り、名けて極樂と曰ふ。其の中の世尊を無量壽及び無量光・如來・應・正等覺と名く。十號圓滿して、今現に彼に在ましめ安隱に住持し、諸の有情の爲に甚深微妙の法を宣説して、殊勝の利益安樂を得しめたまへり。
又舍利子、何の因何の縁ありてか、彼の佛の世界を名けて極樂と爲る。舍利子、彼の界の中の諸の有情の類、一切身心の憂苦有ること無く、唯無量の淸淨喜樂のみ有るに由りてなり。是の故に名けて極樂世界と爲す。
又舍利子、極樂世界淨佛土の中には、處處に皆七重に行列せる妙寶欄楯、七重に行列せる寶多羅樹有り。及び七重の妙寶羅網有りて、周匝し圍繞して、四寶もて莊嚴せり。金寶・銀寶・吠琉璃寶・頗胝迦寶もて、妙飾間綺せり。舍利子、彼の佛土の中には是の如き等の衆妙綺飾功徳莊嚴有りて、甚だ愛樂すべし。是の故に名けて極樂世界と爲す。
又舍利子、極樂世界淨佛土の中には、處處に皆七妙寶池有りて、八功徳水、其の中に彌滿せり。何等をか名けて八功徳水と爲る。一には澄淨、二には淸冷、三には甘美、四には輕軟、五には潤澤、六には安和、七には飮む時飢渇等の無量の過患を除き、八には飮み已りて定んで能く諸根を長養し、四大増益し、種種殊勝の善根あり。多福の衆生常に樂みて受用す。是の諸の寶池の底には金沙を布けり。四面を周匝して四の階道有り。四寶の莊嚴甚だ愛樂すべし。諸の池を周匝して妙寶樹有り。間飾行列して香氣芬馥せり。七寶の莊嚴甚だ愛樂すべし。七寶と言ふは、一には金、二には銀、三には吠琉璃、四には頗胝迦、五には赤眞珠、六には阿濕摩掲拉婆寶、七には牟娑落掲拉婆寶なり。是の諸の池の中には、常に種種雜色の蓮華有り、量車輪の如し。青形には青顯・青光・青影あり、黄形には黄顯・黄光・黄影あり、赤形には赤顯・赤光・赤影あり、白形には白顯・白光・白影あり、四形には四顯・四光・四影あり。舍利子、彼の佛土の中には、是の如き等の衆妙綺飾の功徳莊嚴有りて、甚だ愛樂すべし。是の故に名けて極樂世界と爲す。
又舍利子、極樂世界淨佛土の中には、自然に常に無量無邊衆妙の伎樂有り。音曲和雅にして甚だ愛樂すべし。諸の有情の類、斯の妙音を聞きて諸の惡煩惱悉く皆消滅し、無量の善法漸次に増長して、速に無上正等菩提を證す。舍利子、彼の佛土の中には、是の如き等の衆妙綺飾の功徳莊嚴有りて、甚だ愛樂すべし。是の故に名けて極樂世界と爲す。
又舍利子、極樂世界淨佛土の中に周遍せる大地は、眞金もて合成す。其に觸るるに柔軟香潔なり。光明無量無邊にして妙寶間飾す。
舍利子、彼の佛土の中には、是の如き等の衆妙綺飾の功徳莊嚴有りて、甚だ愛樂すべし。是の故に名けて極樂世界と爲す。
又舍利子、極樂世界淨佛土の中には、晝夜六時に常に種種上妙の天華を雨らす。光澤香潔にして細軟雜色なり。見る者をして身心適悦ならしむと雖も、而も貪著せず、有情の無量無數不可思議殊勝の功徳を増長す。彼の有情の類、晝夜六時に常に持ちて無量壽佛を供養したてまつり、晨朝の時毎に此の天華を持ちて、一食の頃に於て飛びて他方無量の世界に至り、百千倶胝の諸佛を供養したてまつり、諸佛の所に於て各々百千倶胝の樹の花を以て持散し供養して、本處に還り至りて、天に遊び住すること等し。舍利子、彼の佛土の中には、是の如き等の衆妙綺飾の功徳莊嚴有りて、甚だ愛樂すべし。是の故に名けて極樂世界と爲す。
又舍利子、極樂世界淨佛土の中には、常に種種奇妙の愛すべき雜色の衆鳥有り。所謂鵝・鴈・鶖・鷺・鴻・鶴・孔雀・鸚鵡・羯羅頻迦・命命鳥等なり。是の如きの衆鳥、晝夜六時に、恒に共に集會して、和雅の聲を出す。其の類音に隨ひて妙法を宣揚す。所謂甚深念住正斷、神足根力、覺道支等の無量の妙法なり。彼の土の衆生是の聲を聞き已りて、各々念佛・念法・念僧の無量の功徳を得て其の身に熏修す。汝舍利子、意に於て云何、彼の土の衆鳥は、豈是傍生惡趣の攝耶ならん、是の見を作すこと勿れ。所以は何ん、彼の佛の淨土には三惡道無し、尚三惡趣の名有ることを聞かず、何に況んや實の罪業所招の傍生の衆鳥有らんや。當に知るべし、皆是無量壽佛の變化の所作なり。其をして無量の法音を宣暢して、諸の有情の利益安樂を作さしむ。舍利子、彼の佛土の中には、是の如き等の衆妙綺飾の功徳莊嚴有りて、甚だ愛樂すべし。是の故に名けて極樂世界と爲す。 又舍利子、極樂世界淨佛土の中には、常に妙風有りて諸の寶樹及び寶羅網を吹くに微妙の音を出す、譬へば百千倶胝の天樂の同時に倶に作して、微妙の聲を出すが如し。甚だ愛玩すべし。是の如く彼の土には常に妙風有りて衆の寶樹及び寶羅網を吹き、種種微妙の音聲を撃ち出して、種種の法を説く。
彼の土の衆生是の聲を聞き已りて、佛・法・僧の念、作意等の無量の功徳を起す。舍利子、彼の佛土の中には、是の如き等の衆妙綺飾の功徳莊嚴有りて、甚だ愛樂すべし。是の故に名けて極樂世界と爲す。
又舍利子、極樂世界の淨佛土の中には、是の如き等の無量無邊の不可思議にそて、甚だ希有なる事有り。假使ひ百千倶胝那庾多劫を經て、其の無量百千倶胝那庾多の舌を以て、一一の舌の上に無量の聲を出して、其の功徳を讃ずるも、亦盡くすこと能はず。[1]是の故に名けて極樂世界と爲す。
又舍利子、極樂世界淨佛土の中の佛を、何の縁有りてか無量壽と名くる。舍利子、彼の如來及び諸の有情も、壽命無量無數大劫なるに由る。是の縁に由るが故に、彼の土の如來を無量壽と名けたてまつる。舍利子、無量壽佛、阿耨多羅三藐三菩提を證得したまひてより已來十大劫を經たり。舍利子、何に縁りて彼の佛を無量光と名くる。舍利子、彼の如來恒に無量無邊の妙光を放ちて、遍く一切十方の佛土を照らし、佛事を施作したまふに障礙有ること無きに由る。是の縁に由るが故に、彼の土の如來を無量光と名けたてまつる。舍利子、彼の佛の淨土には、是の如きの功徳莊嚴成就す。甚だ愛樂すべし。是の故に名けて極樂世界と爲す。
又舍利子、極樂世界淨佛土の中の無量壽佛には、常に無量の聲聞の弟子有り。一切皆是大阿羅漢なり。種種微妙の功徳を成就せり、其の量無邊にして稱げて數ふべからず。舍利子、彼の佛の淨土には、是の如きの功徳莊嚴成就す。甚だ愛樂すべし。是の故に名けて極樂世界と爲す。
又舍利子、極樂世界淨佛土の中の無量壽佛には、常に無量の菩薩の弟子有り。一切皆是一生所繋にして、種種微妙の功徳を具足せり、其の量無邊にして稱げて數ふべからず。假使ひ無數量の劫を經て、其の功徳を讃めんに、終に盡すこと能はず。舍利子、彼の佛土の中には、是の如き功徳莊嚴成就す。甚だ愛樂すべし。是の故に名けて極樂世界と爲す。
又舍利子、若し諸の有情、彼の土に生ずる者は、皆不退轉にして、必ず復諸の險惡趣・邊地・下賤・蔑戻車の中に墮せず。常に諸佛淸淨の國土に遊びて、殊勝の行願念念に増進し、決定して當に阿耨多羅三藐三菩提を證すべし。舍利子、彼の佛土の中には、是の如き功徳莊嚴成就す。甚だ愛樂すべし。是の故に名けて極樂世界と爲す。
又舍利子、若し諸の有情、彼の西方無量壽佛の淸淨佛土の無量の功徳衆に莊嚴せる所を聞かば、皆應に發願して彼の佛土に生ずべし。所以は何ん、若し彼の土に生ずれば、是の如きの無量の功徳衆に莊嚴せらるる諸の大士等と同一に集會することを得。是の如きの無量の功徳衆に莊嚴せらるる淸淨佛土の大乘の法樂を受用して、常に退轉すること無く、無量の行願、念念に増進して、速に無上正等菩提を證すればなり。故に舍利子、彼の佛土に生ずる諸の有情の類は、無量無邊の功徳を成就す。少善根には非ず。諸の有情の類、當に無量壽佛の極樂世界淸淨の佛土に往生することを得べし。
又舍利子、若し淨信有る諸の善男子或は善女人、是の如きの無量壽佛の無量無邊不可思議の功徳の名號、極樂世界の功徳莊嚴を聞くことを得、聞き已りて思惟して、若しは一日夜、或は二、或は三、或は四、或は五、或は六、或は七、念を繋けて亂れざれば、是の善男子或は善女人、命終の時に臨みて、無量壽佛、其の無量の聲聞の弟子菩薩衆と倶に、前後に圍繞し、其の前に來住して、慈悲加祐し、心をして亂れざらしむ。[2]既に命を捨て已りて、佛の衆會に隨ひて、無量壽の極樂世界淸淨の佛土に生ず。
又舍利子、我是の如きの利益安樂の大事因縁を觀て、誠諦の語を説く。若し淨信の諸の善男子或は善女人、是の如きの無量壽佛の不可思議の功徳名號、極樂世界の淨佛土を聞くことを得る者、一切皆應に信受して願を發し、説の如く修行して彼の佛土に生ずべし。
又舍利子、我今、無量壽佛無量無邊不可思議佛土功徳を稱揚し讃歎するが如く、是の如く東方にも、亦現在して不動如來・山幢如來・大山如來・山光如來・妙幢如來有ます。是の如き等の佛、殑伽沙の如く東方自佛淨土に住在して、各各に廣長の舌相を示現して、遍く三千大千世界に覆ひて、周匝し圍繞して、誠諦の言を説きたまふ。汝等有情、皆應に是の如きの稱讃不可思議の佛土の功徳、一切諸佛攝受の法門を信受すべし。
又舍利子、是の如く南方にも、亦現在して日月光如來・名稱光如來・大光蘊如來・迷盧光如來・無邊精進如來有ます。是の如き等の佛、殑伽沙の如く南方自佛の淨土に住在して、各各に廣長の舌相を示現して、遍く三千大千世界に覆ひて、周匝し圍繞して、誠諦の言を説きたまふ。汝等有情、皆應に是の如きの稱讃不可思議の佛土の功徳、一切諸佛攝受の法門を信受すべし。
又舍利子、是の如く西方にも、亦現在して無量壽如來・無量蘊如來・無量光如來・無量幢如來・大自在如來・大光如來・光焔如來・大寶幢如來・放光如來有ます。是の如き等の佛、殑伽沙の如く西方自佛の淨土に住在して、各各に廣長の舌相を示現して、遍く三千大千世界に覆ひて、周匝し圍繞して、誠諦の言を説きたまふ。汝等有情、皆應に是の如きの稱讃不可思議の佛土の功徳、一切諸佛攝受の法門を信受すべし。
又舍利子、是の如く北方にも、亦現在して無量光嚴通達覺慧如來・無量天鼓震大妙音如來・大蘊如來・光網如來・娑羅帝王如來有ます。是の如き等の佛、殑伽沙の如く北方自佛の淨土に住在して、各各に廣長の舌相を示現して、遍く三千大千世界に覆ひて、周匝し圍繞して、誠諦の言を説きたまふ。汝等有情、皆應に是の如きの稱讃不可思議の佛土の功徳、一切諸佛攝受の法門を信受すべし。
又舍利子、是の如く下方にも、亦現在して示現一切妙法正理常放火王勝徳光明如來・師子如來・名稱如來・譽光如來・正法如來・妙法如來・法幢如來・功徳友如來・功徳號如來有ます。是の如き等の佛、殑伽沙の如く下方自佛の淨土に住在して、各各に廣長の舌相を示現して、遍く三千大千世界に覆ひて、周匝し圍繞して、誠諦の言を説きたまふ。汝等有情、皆應に是の如きの稱讃不可思議の佛土の功徳、一切諸佛攝受の法門を信受すべし。
又舍利子、是の如く上方にも、亦現在して梵音如來・宿王如來・香光如來・如紅蓮華勝徳如來・示現一切義利如來有ます。是の如き等の佛、殑伽沙の如く、上方自佛の淨土に住在して、各各に廣長の舌相を示現して、遍く三千大千世界に覆ひて、周匝し圍繞して、誠諦の言を説きたまふ。汝等有情、皆應に是の如きの稱讃不可思議の佛土の功徳、一切諸佛攝受の法門を信受すべし。
又舍利子、是の如く東南方にも、亦現在して最上廣大雲雷音王如來有ます。是の如き等の佛、殑伽沙の如く東南方自佛の淨土に住して、各各に廣長の舌相を示現して、遍く三千大千世界に覆ひて、周匝し圍繞して、誠諦の言を説きたまふ。汝等有情、皆應に是の如きの稱讃不可思議の佛土の功徳、一切諸佛攝受の法門を信受すべし。
又舍利子、是の如く西南方にも、亦現在して最上日光名稱功徳如來有ます。是の如き等の佛、殑伽沙の如く西南方自佛の淨土に住して、各各に廣長の舌相を示現して、遍く三千大千世界に覆ひて、周匝し圍繞して、誠諦の言を説きたまふ。汝等有情、皆應に是の如きの稱讃不可思議の佛土の功徳、一切諸佛攝受の法門を信受すべし。
又舍利子、是の如く西北方にも、亦現在無量功徳火王光明如來有ます。是の如き等の佛、殑伽沙の如く西北方自佛の淨土に住して、各各に廣長の舌相を示現して、遍く三千大千世界に覆ひて、周匝し圍繞して、誠諦の言を説きたまふ。汝等有情、皆應に是の如きの稱讃不可思議の佛土の功徳、一切諸佛攝受の法門を信受すべし。
又舍利子、是の如く東北方にも、亦現在無數百千倶胝廣慧如來有ます。是の如き等の佛、殑伽沙の如く東北方自佛の淨土に住して、各各に廣長の舌相を示現して、遍く三千大千世界に覆ひて、周匝し圍繞して、誠諦の言を説きたまふ。汝等有情、皆應に是の如きの稱讃不可思議の佛土の功徳、一切諸佛攝受の法門を信受すひゃくせんべし。
又舍利子、何に縁りて此の經を名けて稱讃不可思議佛土功徳一切諸佛攝受法門と爲す。舍利子、此の經の中に無量壽佛の極樂世界不可思議の佛土の功徳を稱揚し讃歎し、及び十方面の諸佛世尊、諸有情を方便し利益し安樂ならしめんと欲するが爲の故に、各々本土に住し、大神變を現じ、誠諦の言を説きて。諸の有情に此の法を信受せんことを勸めたまふに由て、是の故に此の經を、名けて稱讃不可思議佛土功徳一切諸佛攝受法門と爲るなり。
又舍利子、若し善男子或は善女人、或は已に聞くことを得、或は當に聞くことを得、或は今聞くことを得ん。是の經を聞き已りて深く信解を生じ、信解を生じ已りて、必ず是の如く十方面に住したまへる十殑伽沙の諸佛世尊の攝受したまふ所と爲る。説の如く行ぜん者は、一切定んで阿耨多羅三藐三菩提に於て退轉せざるを得、一切定んで無量壽佛の極樂世界淸淨の佛土に生ぜん。是の故に舍利子、汝等有情、一切皆應に我及び十方の佛世尊の語を信受し領解すべし。當に勤めて精進し、説の如く修行して、疑慮を生ずること勿るべし。
又舍利子、若し善男子或は善女人、無量壽の極樂世界、淸淨佛土の功徳莊嚴に於て、若しは已に發願し、若しは當に發願し、若しは今發願せんに、必ず是の如く十方面に住したまへる十殑伽沙の諸佛世尊の攝受したまふ所と爲る。説の如く行ぜん者は、一切定んで阿耨多羅三藐三菩提に於て退轉せざることを得、一切定んで無量壽佛の極樂世界、淸淨の佛土に生ぜん。是の故に舍利子、若し淨信有る諸の善男子或は善女人、一切皆應に無量壽極樂世界、淸淨の佛土に於て、深く心に信解し、發願して往生し、放逸を行ずること勿るべし。
又舍利子、我今、無量壽佛の極樂世界、不可思議佛土の功徳を稱揚し讃歎するが如く、彼の十方面の諸佛世尊も、亦我が不可思議無邊の功徳を稱讃して、皆是の言を作したまふ。甚だ奇希なり、釋迦寂靜・釋迦法王・如來・應・正等覺・明行・圓滿・善逝・世間解・無上・丈夫調御士・天人師・佛・世尊、乃し能く是の堪忍世界に於て、五濁惡時の所謂劫濁、諸の有情獨、諸の煩惱濁・見濁・命濁の中に於て、阿耨多羅三藐三菩提を證得し、諸の有情を方便し利益し安樂ならしめんと欲するが爲の故に、是の世間極難信の法を説きたまふ。是の故に舍利子、當に知るべし、我今此の雜染堪忍世界の五濁惡時に於て、阿耨多羅三藐三菩提を證得し、諸の有情を方便し利益し安樂ならしめんと欲するが爲の故に、是の世間極難信の法を説くこと、甚だ希有不可思議なりと爲す。
又舍利子、此の雜染堪忍世界の五濁惡時に於て、若し淨信有る諸の善男子或は善女人、是の如きの一切世間極難信の法を説きたまふを聞きて、能く信解を生じ、受持し演説して、敎の如く修行せば、當に知るべし、是の人は甚だ希有なりと爲す。無量佛の所にして、曾て善根を種う。是の人命終りて、定んで西方極樂世界に生じ、種種の功徳莊嚴淸淨佛土の大乘の法樂を受用し、日夜六時に、無量壽佛に親近し供養して、十方に遊歴し諸佛を供養して、諸佛の所に於て法を聞き受記せらる。福慧資糧、疾く圓滿することを得て、速に無上正等菩提を證せん。時に薄伽梵、是の經を説き已りたまふに、尊者舍利子等の諸の大聲聞及び諸の菩薩摩訶薩衆、無量の天・人・阿素洛等一切の大衆、佛の所説を聞きて、皆大に歡喜し、信受して奉行したてまつりき。
- 稱讃淨土佛攝受經