「帰三宝偈」の版間の差分
出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』
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− | 本書は、善導大師の著『観経疏』4帖のなか、初めの「玄義分」の巻頭に示された偈頌である。『観経疏』は、善導大師が古今の諸師たちの誤った解釈をただして、『観経』の真意を明らかにされたもので、「玄義分」は、初めに『観経』の奥義を述べられるものである。この偈頌は、まず初めに仏・法・僧の三宝に帰敬する旨を示しつつ、すべて人々に本願の信心をおこすよう勧められたものであることから、『帰三宝偈』あるいは『勧衆偈』と称される。また偈頌は五字一句、四句一行で全部で14行あるので、『十四行偈』ともいう。 | + | {{Kaisetu| 本書は、善導大師の著『観経疏』4帖のなか、初めの「玄義分」の巻頭に示された偈頌である。『観経疏』は、善導大師が古今の諸師たちの誤った解釈をただして、『観経』の真意を明らかにされたもので、「玄義分」は、初めに『観経』の奥義を述べられるものである。この偈頌は、まず初めに仏・法・僧の三宝に帰敬する旨を示しつつ、すべて人々に本願の信心をおこすよう勧められたものであることから、『帰三宝偈』あるいは『勧衆偈』と称される。また偈頌は五字一句、四句一行で全部で14行あるので、『十四行偈』ともいう。 |
− | その内容は、初めに出家・在家を問わず、菩提心(信心)をおこして生死を超えようと勧められる。ついでみずからひろく仏・法・僧の三宝に帰敬して仏力の加護を請われる。さらにみずから本願の法に遇ったことを喜ぶとともに、『観経疏』をつくって、釈迦・弥陀二尊の真意を明らかにしたいという固い決意と願いを述べられている。そして最後に、この尊い法の功徳をわけへだてなく人々に伝え、共に信心をおこして安楽国に往生しようと回向の意を示されている。 | + | その内容は、初めに出家・在家を問わず、菩提心(信心)をおこして生死を超えようと勧められる。ついでみずからひろく仏・法・僧の三宝に帰敬して仏力の加護を請われる。さらにみずから本願の法に遇ったことを喜ぶとともに、『観経疏』をつくって、釈迦・弥陀二尊の真意を明らかにしたいという固い決意と願いを述べられている。そして最後に、この尊い法の功徳をわけへだてなく人々に伝え、共に信心をおこして安楽国に往生しようと回向の意を示されている。}} |
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2013年5月8日 (水) 20:22時点における最新版
本書は、善導大師の著『観経疏』4帖のなか、初めの「玄義分」の巻頭に示された偈頌である。『観経疏』は、善導大師が古今の諸師たちの誤った解釈をただして、『観経』の真意を明らかにされたもので、「玄義分」は、初めに『観経』の奥義を述べられるものである。この偈頌は、まず初めに仏・法・僧の三宝に帰敬する旨を示しつつ、すべて人々に本願の信心をおこすよう勧められたものであることから、『帰三宝偈』あるいは『勧衆偈』と称される。また偈頌は五字一句、四句一行で全部で14行あるので、『十四行偈』ともいう。
その内容は、初めに出家・在家を問わず、菩提心(信心)をおこして生死を超えようと勧められる。ついでみずからひろく仏・法・僧の三宝に帰敬して仏力の加護を請われる。さらにみずから本願の法に遇ったことを喜ぶとともに、『観経疏』をつくって、釈迦・弥陀二尊の真意を明らかにしたいという固い決意と願いを述べられている。そして最後に、この尊い法の功徳をわけへだてなく人々に伝え、共に信心をおこして安楽国に往生しようと回向の意を示されている。
帰三宝偈
帰三宝偈
【1】
【2】
- 世尊、われ心を一つにして、尽十方の、
- 法性真如海、報化等の諸仏と、
- 一々の菩薩の身、眷属等の無量なると、
- 荘厳および変化と、十地・三賢海の、
- 時劫の満と未満と、智行の円と未円と、
- 正使の尽と未尽と、習気の亡と未亡と、
- 功用と無功用と、証智と未証智と、
- 妙覚および等覚と、まさしく金剛心を受けて、
- 相応一念ののちの、果徳涅槃のものとに帰命したてまつる。
【3】
【4】
【5】
【6】
- われ、菩薩蔵、頓教一乗海によりて、
- 偈を説きて三宝に帰し、仏心と相応せり。
- 十方恒沙の仏、六通もつてわれを照知したまへ。
- いま二尊の教に乗じて、広く浄土の門を開く。
【7】
- 願はくはこの功徳をもつて、平等に一切に施し、
- 同じく菩提心を発して、安楽国に往生せん。