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不二

出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』

2023年5月6日 (土) 09:37時点における林遊 (トーク | 投稿記録)による版

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ふに

 二とは相対や対立の意で、この否定が不二。対立していて二元的に見える事柄も、絶対的な立場から見ると対立がなく一つのものであるということ。相対(相待))[1]を絶するということから絶対(絶待 [2] を意味する。また対立を超えているということから平等を意味し、不二絶対、不二平等というように使われる。

入不二の法門
不二の心
若不生者のちかひ
名体不二

◆ 参照読み込み (transclusion) JDS:不二

ふに/不二

二つのものの相対的対立を超えた、二者の絶対的平等を意味する語。Ⓢadvaya。二ではないというところに意味があり、いわゆる一元論ではなく、二者相対の矛盾のない和合・融合を説くところに力点を置いたものと考えることができる。大乗仏教菩薩思想では智悲不二自利利他不二が強調されて、二つながら、共々に等しく一体となったものという意味で使われる。有名な「維摩の一黙」のエピソードを導く『維摩経』の不二法門は、二者の対立を離れて、相対的差別を超えた絶対的平等の理念へと説き進めている。浄土教では仏・如来凡夫衆生との関係や機と法との関係を凡聖不二凡聖一如)、機法不二機法一体)として説くことがある。たとえば聖冏は『鹿島問答』に「浄穢不二凡聖一如」(浄全一二・八三一上)と説き、「彼の三十二の菩薩不二の法門すでにこれ真実の義にあらず」(同八三一下)などと『維摩経』の教説をめぐって判釈している。


【参照項目】➡相対的二元論・絶対的一元論


【執筆者:勝崎裕彦】


  1. 二つのものが互いに相対関連して存すること。長は短と、東は西とあい対してともに存するという類。➡コトバンク
  2. 他との比較対立を絶していること。他に並ぶもののないこと。➡コトバンク