ぼさつかいきょう
『梵網経(ぼんもうきょう)』下巻の別名。この部分に、大乗菩薩の戒法(かいほう)である十重四十八軽戒が説かれていることからこのようにいう。
『梵網経』は、鳩摩羅什(くまらじゅう)訳と伝えられるが、現在では五世紀頃、中国で僧官制に反対する仏徒によって撰述されたと考えられている。最澄(さいちょう)は南都の小乗二百五十戒に対して、本経の戒を採用し、大乗の円頓戒(えんどんかい)を主張した。