はんじゅざんまいきょう
漢訳には後漢(ごかん)の支婁迦讖(しるかせん)訳の三巻本、支婁迦讖訳と伝えられるが実際には訳者不詳の一巻本、訳者不明の『抜陂菩薩経(ばつばぼさつきょう)』一巻、隋(ずい)の闍那崛多(じゃなくった)訳の『大集経(だいじっきょう)』「賢護分(けんごぶん)」五巻の四本があり、このうち第二の訳本が最も多く用いられた。般舟三昧を得れば、十方(じっぽう)の諸仏が現前するといい、とくに西方阿弥陀仏の見仏(けんぶつ)の例を挙げる。現存の大乗経典の中では初期に成立したものといわれる。