顕浄土方便化身土文類 (末)
出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』
問ふ。引くところの正文はまことに信を生ずべし。ただしばしばわたくしの詞を加す。いかんぞ人の謗りを招かざらんや。
答ふ。正文にあらずといへども、理をば失せず。もしなほ謬ることあらば、いやしくもこれを執せず。見るもの、取捨して正理に順ぜしめよ。もしひとへに謗りをなさば、またあへて辞せず。 『華厳経』の偈にのたまふがごとし。
- 「もし菩薩の、種々の行を修行するを見て、
- 善・不善の心を起すことあるを、菩薩みな摂取す」と。{以上}
まさに知るべし、謗りをなすもまたこれ結縁なり。われもし道を得ば、願はくはかれを引摂せん。かれもし道を得ば、願はくはわれを引摂せよ。すなはち菩提に至るまで、たがひに師弟とならん。 往生要集P--1177