全分他力
出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』
ぜんぶん-たりき
半自力・半他力の自力と他力があいまって救済が成立するといふに対する語。
西山派の証空には、
- 今、此の本願の名号には、五劫思惟の心内に南無の機をのせて願じ、兆載永劫の万行は、流転の我等どもの行にして、知らざるに仏の方よりぞ南無阿弥陀仏と一つに成じ、凡夫往生の仏とは成りたまへり。此の故に衆生の方よりは何一つも用意すべき事なく、全分に仏の方より、何一つも漏らさず
御認 め候なり。是を心得て凡夫の往生を成じ給へるなり。(『述成』(『西山上人短篇鈔物集』八三頁))