帰三宝偈
出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』
帰三宝偈
帰三宝偈
【1】
- 道俗時衆等、おのおの無上の心を発せども、
- 生死はなはだ厭ひがたく、仏法また欣ひがたし。
- ともに金剛の志を発して、横に四流を超断し、
- 弥陀の界に願入して、帰依し合掌して礼したてまつれ。
【2】
- 世尊、われ心を一つにして、尽十方の、
- 法性真如海、報化等の諸仏と、
- 一々の菩薩の身、眷属等の無量なると、
- 荘厳および変化と、十地・三賢海の、
- 時劫の満と未満と、智行の円と未円と、
- 正使の尽と未尽と、習気の亡と未亡と、
- 功用と無功用と、証智と未証智と、
- 妙覚および等覚と、まさしく金剛心を受けて、
- 相応一念ののちの、果徳涅槃のものとに帰命したてまつる。
【3】
- われらことごとく、三仏菩提尊に帰命したてまつる。
- 無碍の神通力をもつて、冥加して、願はくは摂受したまへ。
【4】
- われらことごとく、三乗等の賢聖、
- 仏の大悲心を学びて、長時に退くことなきひとに帰命したてまつる。
- 請ひ願はくは、はるかに加備して、念々に諸仏を見せしめたまへ。
【5】
- われら愚痴の身、曠劫よりこのかた流転して、
- いま、釈迦仏の、末法の遺跡、
- 弥陀の本誓願、極楽の要門に逢へり。
- 定散等しく回向して、すみやかに無生身を証せん。
【6】
- われ、菩薩蔵、頓教一乗海によりて、
- 偈を説きて三宝に帰し、仏心と相応せり。
- 十方恒沙の仏、六通もつてわれを照知したまへ。
- いま二尊の教に乗じて、広く浄土の門を開く。
【7】
- 願はくはこの功徳をもつて、平等に一切に施し、
- 同じく菩提心を発して、安楽国に往生せん。