帰去来
出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』
帰去来兮。田園将蕪胡不帰。既自以心為形役。奚惆悵而獨悲。悟已往之不諌。知來者之可追。実迷塗其未遠。覺今是而昨非。舟揺揺以軽颺。風飃飃而吹衣。問征夫以前路。恨晨光之熹微。
帰去来兮(帰りなんいざ),田園将に蕪せんとす胡(なん)ぞ帰らざる,既に自ら心を以って形の役と為す,奚ぞ惆悵として獨り悲しむ,已往の諌むべかざるを悟り,來者の追う可きを知る。実に塗に迷う其れ未だ遠からず,今は是にして昨は非なるを覺える,舟揺揺として以って軽く颺り,風飃飃として衣を吹く,征夫に問う前路を以ってす,晨光の熹微なるを恨む。