とききて候ふ
出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』
『和語灯録』諸人伝説の詞に、
又いはく、法爾道理といふ事あり。ほのほはそらにのほり、水はくだりさまにながる。菓子の中にすき物あり、あまき物あり。これらはみな法爾道理也。阿弥陀ほとけの本願は、名号をもて罪悪の衆生をみちびかんとちかひ給たれば、ただ一向に念仏だにも申せば、仏の来迎は、法爾道理にてそなはるべきなり。p.683
とある。法爾道理とは『瑜伽師地論』の四種道理の一、法爾道理(法然道理ともいう。火に熱さがあるように、あるがままのすがたで不変の本性を完成しているという道理)をいうのであろう。また法然聖人は「しかるに源空は、させる因縁もなくして法爾法然と道心をおこすがゆへに、師匠名をさづけて法然となづけ給ひし也」ともいわれている。