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出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』

2015年7月26日 (日) 10:08時点における林遊 (トーク | 投稿記録)による版

親鸞聖人 鏡の御影


「鏡御影」の
和朝親鸞聖人御影以下、

憶念弥陀仏本願
自然即時入必定
唯能常称如来号
応報大悲弘誓恩

の文は、覚如上人による修復以後に墨書された覚如正因の筆跡である。覚如上人は『正信念仏偈]の「龍樹讃」にある「憶念弥陀仏本願」という信心に親しい文と「応報大悲弘誓恩」という念仏報恩を示す語を用いることによって「信心正因 称名報恩」の義意を顕そうとされたのであろう。
以下に、『浄土真宗聖典全書』p901~902により、推定される親鸞聖人の原讃銘を記しておく。

{上段}

(本願名號正定業 至心信樂願爲)因
(成等覺證大涅槃 必至滅度願成)就
(如來所以興出世 唯說彌陀本願海)
(五濁惡時群生海 應信如來如實)言
(能發一念喜愛心 不斷煩惱得)涅槃
(凡聖逆謗齊廻入 如衆水入海一)味
(攝取心光常照護 已能雖破無明)闇
(貪愛瞋憎之雲霧 常覆眞)實信心天
(譬如日光覆雲霧 雲霧之下)明無闇
(獲信見敬大慶喜 卽橫超截五惡)趣{文}
  • 原讃銘を切断塗抹の上、現讃銘を墨書継紙。()内は切断した部分の推定。

{下段}

源空聖人云
當□生死之家
以疑爲所止涅
槃之城以信□
能入{文}[1]
釋親鸞云
還來生死輪轉之家 
決以疑情爲所止
速入寂靜无爲之城
必以信心爲能入{文}[2]
  • 原讃銘を切断塗抹の上、描表装。


{裏書}

專阿彌陀佛{信實朝民息也 號袴殿}
奉拜聖人御存生之尊像泣奉圖畫之 末代無雙重寶仰可歸敬之
   毛端不奉違{云々} 所得其證也
延喜三歲{庚戌}十一月廿八日以前奉修捕遂供養記
   慶長元歲{辛亥}五月九日於越州
   敎行證講談之次記之了


新字
{裏書}
専阿弥陀仏{信実朝民息也 号袴殿}
奉拝聖人御存生之尊像泣奉図画之 末代無双重宝仰可帰敬之
   毛端不奉違{云々} 所得其証也

延喜三歳{庚戌}十一月廿八日以前奉修捕遂供養記
   慶長元歳{辛亥}五月九日於越州
   教行証講談之次記之了



  1. 源空聖人の云く。まさに知るべし、生死の家には疑をもつて所止となし、涅槃の城には信をもつて能入となす。◇『選択集』信疑決判の文。p.1248
  2. 釋親鸞の云ふ。生死輪転の家に還来ることは、決するに疑情をもつて所止とす。すみやかに寂静無為の城(みやこ)に入ることは、かならず信心をもつて能入とすといへり。 「正信念仏偈」源空讃。p.207