ひけきょう
十巻。北涼の曇無讖(どんむしん)訳。また失訳『大乗悲分陀利経(だいじょうひふんだりきょう)』八巻がある。諸仏、菩薩の浄土成仏を説き、同時に、釈尊の穢土成仏を讃嘆している。第四「諸菩薩本授記品(ほんじゅきぼん)」に説かれる無諍念王(むじょうねんおう)発願(ほつがん)の因縁が、『大経』の説き方と類似しているため、浄土門の典籍にもしばしば引用される。