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御消息集善性本

出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』

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ごしょうそくしゅう-ぜんしょうぼん 御消息集善性本

 1巻。親鸞の御消息を集成したもの。一般に『善性本御消息集』といわれ、高田派専修寺に所蔵されてきたものであり、ほかに写伝された形跡はない。表紙の中央に「御消息集」、その左下に「釈善性」とあり、本文と同筆である。また、包袋に「御消息集一冊 飯沼善性房筆」とあり、また、別の包紙の右下の貼紙に「御所持顕智上人」と記されている。これらによって、本集は親鸞の門弟で下総国飯沼の善性の編集したものであり、顕智の伝持と考えられている。本集の成立年次については諸説あるが、門弟間において「如来等同」のことなどが論義された正嘉2年 (1258) 以後の数年間の成立と推定される。一方、筆跡の年代的特徴より鎌倉末期から南北朝の間に成立したもので、包袋・包紙の記述の信頼性や伝持の経緯などから、本集の編者を飯沼の顕智ではなく顕智の弟子の善性とみる説もある。
 また、通数についても諸説があるが、全7通とみるのが妥当とされている。しかし、この7通のうち第3通は蓮位の書状で第1通に添えられたものであるから、親鸞の御消息は6通である。そのうち、第7通目が他の消息類と重複しないこと、門弟の慶信、浄信、専信の上書を併せて収めていることは本集の特色である。→親鸞聖人御消息。(浄土真宗辞典)