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寺族

出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』

2023年2月16日 (木) 12:28時点における林遊 (トーク | 投稿記録)による版

じぞく 寺族

 本来、仏教では僧侶は妻帯を禁じられて家庭を持つことはないとされていた。それは結婚すれば子供ができる。しかし出家者は定住せず托鉢などによって他者に養われる存在であるから十全に子供を育てることは困難である。このように子を育てることができないことによって、仏教では僧侶の妻帯を否定しているのであった。俚諺(りげん:世間に言い伝えられてきたことわざ)に「子ゆえに迷う親心」とあるのだが釈尊も我が子をラーフラ(障害をなすもの)ともされていた。
 ただ浄土真宗は、宗祖の御開山が妻帯されたこともあり、家庭を営む在家仏教として肉食・妻帯を許している。 そして伝統的に住職の妻のことを「坊守(ぼうもり)」と呼んで寺の組織の役割の一部としてきた。近年の制度では、女性住職の夫や、配偶者でない親族が務めることもある。


◆ 参照読み込み (transclusion) JDS:寺族

じぞく/寺族

住職家族、およびそれに準ずる者のこと。浄土宗では「宗綱」第二四条および「寺族規程」(宗規第二七号)で、寺院(教会)には寺族を置くことができるとし、その資格について、住職(主任)の家族およびこれに準ずる者で、本宗の寺族台帳に登録された者と定義している。寺族が心がけるべきことは、住職を補佐し、寺門の興隆および子弟の教養に努め、常に信行を策励し、寺庭を整え、身をもって檀信徒の範となることとされている。なお、同一人物が二つ以上の寺院寺族登録することはできない。


【執筆者:今岡達雄】