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生死

出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』

しょうじ

しょうじ 生死

 有漏の業によって三界六道の迷いの世界を生まれ変わり死に変わりして輪廻すること。あるいは迷いの世界そのものを指していう。(浄土真宗辞典)

しょうじ

(梵)サンサーラ saṃsāra の訳。輪廻とも訳す。業因によって六道の迷界に、生まれかわり死にかわりして輪廻することで、涅槃(さとり)の逆。生死のはてしないことを底知れない海に譬えて生死海といい、苦悩の世界であるから生死の苦海という。生死の苦海を渡って涅槃の彼岸に到ることは困難であるから難度海ともいう。

① 二種生死。
(1)分段(ぶんだん)生死。有漏の善悪業を因とし煩悩障を縁として三界内の麤なる果報を受けるとき、その果報は寿命の長短や肉体の大小など一定の斎[際]限をもっているから分段身といい、分段身を受けて輪廻することを分段生死という。
(2)変易(へんやく)生死。不思議変易生死ともいう。阿羅漢辟支仏・大力の菩薩は分段生死を受けることはない。しかし、無漏の有分別の業を因として所知障を縁として、界外即ち三界の外の殊勝細妙な果報の身即ち意生身を受け、この身をもって三界内に来て菩薩の行を修めて仏果に至る。その身は悲願の力によって寿命も肉体も自由に変化改易することができて一定の斎[際]限がないから変易身といい、変易身を受けることを変易生死という。
② 四種生死。分段生死を三界について分け、これに変易生死を加えて四とする。また変易生死を方便・因縁・有後・無後の四生死に分ける。また(みょう)(現世の卑賎)より冥(死後の悪道)に入る、冥より明(死後の善趣)に入る、明(現世の尊貴)より冥に入る。明より明に入ることの四を四種死生という。
⓷ 七種生死。分段生死を三界について分け、これに変易生死の四種を加えて七とする。ただし後世の解釈ではこれを次の七種とする。分段生死・流来生死(真如の理に迷って生死の迷界に流来する初めをいう)・反出生死(発心して生死より反出する初めをいう)・方便生死(見思の惑を断ち三界の生死から超出する入滅の二乗についていう)・因縁生死(無漏業を因として無明を縁として生を受ける初地以上の菩薩についていう)・有後有生(有有生死ともいう。最後の一品の無明を残す第一〇地の菩薩についていう・無後生死(無有生死ともいう。無明を断ちつくして後身を受けない等覚の菩薩についていう)。(仏教学辞典)
輪廻