『阿弥陀経』
▽ 一巻。 後秦(こうしん)の鳩摩羅什(くまらじゅう)訳。 『小経』ともいう。 舎衛国(しゃえいこく)の祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)で説かれたもので、はじめに極楽浄土のうるわしい荘厳相(しょうごんそう)と、阿弥陀仏・聖衆(しょうじゅ)(浄土の聖者) の徳について述べ、次にその極楽に生ずる因は、一心の念仏であると説き、最後に六方の諸仏がこの念仏往生の法を証誠(しょうじょう)される旨を述べている。 無問自説(むもんじせつ)の経 (問いをまたずに釈尊が自ら説かれた経) とも、一代結経 (釈尊一代の説法の結びの経) ともいわれる。 法然(ほうねん)上人は 『大教』『観経』とともに本経を浄土三部経の一とし、正依(しょうえ)の経典と定められた。