蜎飛蠕動
出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』
『黄帝八十一難経』
六十三難曰
十變言,五藏六府滎合,皆以井為始者,何也。
然:井者,東方春也,萬物之始生。諸蚑行喘息,蜎飛蠕動。當生之物,莫不以春而生。故歲數始於春,日數始於甲。故以井為始也。
六十三難に曰く。
十変に言う、五臓六腑の滎合、皆井を始めと以てすとは、何ぞや。
然るに、井は東方の春なり。万物始めて生じ、諸は蚑行(きこう)し、喘息し、蜎飛(けんひ)し、蠕動す。当に生の物は、春を以て生ぜざるはなし. 故に歳の数は春に始り、日の数は甲に始まる。故に井を以て始めと為すなり。
古書の<十変>に、五臓六腑の滎合は全て井を始めとして、滎・兪・経・合と流れているが、これはどうしてなのだろう。
しかるに、井は東方で春に相当します。
東方・春は、万物が生じ始める時で、蚑(き=はう虫)は動き、息吹き、蜎(けん=青虫のように体を曲げる虫・ボウフラ)は飛び、全てが動き始める。
ゆえに1年は春から始まり、1年365日は、甲(きのえ=木の兄)から始まる。
そして経脉も、万物が生じ始める東方・春・甲(きのえ=木の兄)に相当する井をその始まりとするのである。