陶弘景
出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』
とうこうけい
陶弘景(456-536)、字は通明。晩年には自ら華陽隠居と号した。丹陽抹陵(江蘇省鎮江市付近)の人。南朝宋の孝建3年(456)に生まれ、梁武帝の大同2年(536)没。南北朝時代を代表する医薬学者である。
若いころ斉朝に仕えて下級官史となったが、上清派の道士孫遊嶽の弟子となり、永明十年には職を辞し、茅山に隠居して華陽隠居と号した。彼は遍歴して広く経典を求め、また浙江各地の学者に教えを求めて教学の大成に力を尽くした。道教史上では、茅山派道教の大成者として名高く、仏教にならって道教の教理を体系化し、上清派道教の根本を伝える『真誥』や、内観による得道の方法を説いた『登真隠訣』『真霊位業図』などを著した。道教学に限られず、天文・陰陽五行・占筮・本草など多岐にもわたっており、『本草経集注』などの著書も残されている。