だいちどろん
百巻。龍樹(りゅうじゅ)菩薩(150-250頃)の著(現在は龍樹撰述に疑問が出されている)。後秦の鳩摩羅什(くまらじゅう)訳。
『摩訶般若波羅蜜経(まかはんにゃはらみつきょう)』を註釈したもの。原本は現存しないが、元来は十万頌あったと伝えられ、鳩摩羅什がそれを百巻に要約したといわれる。般若空の思想を基本的立場としながらも、自著『中論』にみられる否定面と比べてむしろ諸法実相(じっそう)の積極的な肯定面に力を注いでおり、大乗の菩薩思想や六波羅蜜(ろっぱらみつ)などの宗教的実践面を明らかにしている。
参照➡WEB版浄土宗大辞典の「大智度論」の項目