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ふこんうりどんしゃ…

　「それ根に利鈍あれば、教に漸頓あり。機に奢促あれば、行に難易あり。まさにしるべし、聖道の諸門は漸教なり、また雑行なり。浄土の一宗は頓教なり、また易行なり。いはゆる真言・止観の行は猴の情学びがたく、三論・法相の教は牛・羊の眼迷ひやすし。

しかるにわが宗に至りては、弥陀の本願、行因を十念に定め、善導の料簡、器量を三心に決す。利智精進にあらずといへども、専念まことに勤めやすく、多聞広学にあらずといへども、信力なんぞ備はらざらん。 乃至　しかればわが大師聖人、釈尊の使者として念仏の一門を弘め、善導の再誕として称名の一行を勧む。専修専念の行、これよりやうやく弘まり、無間無余の勤め、いまにありてはじめて知る。

しかればすなはち、破戒罪根の輩、加肩して往生の道に入り、下智浅才の類、振臂して淨土の門に赴く。まことに知りぬ、無明長夜の大灯炬なり、なんぞ智眼の闇きを悲しまん。生死大海の大船筏なり、あに業障の重きを煩はんや」　（高田派専修寺蔵宗祖真蹟「聖覚法院表白文」訓）　(尊号 P.667)

出典（教学伝道研究センター編『浄土真宗聖典(注釈版)第二版』本願寺出版社
『浄土真宗聖典(注釈版)七祖篇』本願寺出版社
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