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「弥陀三昧」の版間の差分

出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』

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*三世の諸仏は弥陀三昧を念じて[[正覚]]を成じたという弥陀本仏論をいふ。→[[五徳瑞現]]
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2018年6月7日 (木) 22:14時点における最新版

みだざんまい

 ここでは念仏三昧(ねんぶつざんまい)の異名。 (持名鈔P.1005)

出典(教学伝道研究センター編『浄土真宗聖典(注釈版)第二版』本願寺出版社
『浄土真宗聖典(注釈版)七祖篇』本願寺出版社

区切り線以下の文章は各投稿者の意見であり本願寺派の見解ではありません。

  • 三世の諸仏は弥陀三昧を念じて正覚を成じたという弥陀本仏論をいふ。→五徳瑞現

ノート:三世諸仏念弥陀三昧成等正覚から転送。

『般舟三昧経』(一巻本)

勧助品第七

仏告跋陀和 菩薩 於是三昧中。将有四事助其歓喜。
仏、跋陀和に告げたまはく、菩薩この三昧のなかにおいて、まさに四事ありてそれを助けて歓喜せん。
過去仏持是三昧。助歓喜自致得阿耨多羅三耶三菩阿惟三仏。其智悉具足。
過去の仏もこの三昧を持ちて、助けて歓喜せしめて自から阿耨多羅三耶三菩阿惟三仏に致ることを得て、その智ことごとく具足したまえり。
今現在十方無央数仏。亦於是三昧中。四事助歓喜得。
今現在十方の無央数の仏もまたこの三昧において、四事を助 けて歓喜を得たまへり。
当来亦当従是四事助歓喜得。我悉助歓喜。
当来もまたこの四事により助けて歓喜せしむことを得。我ことごとく助けて歓喜せしむ。 (勧助品第七)

この『般舟三昧経』の文を善導大師は『観念法門』で以下のように取意して引用された。

観念法門

即如般舟三昧経説
すなはち『般舟三昧経』に説きたまふがごとし。
仏告跋陀和 菩薩於是【念仏】三昧中 有四事供養 飲食衣服臥具湯薬 助其歓喜
仏、跋陀和菩薩に告げたまはく。この念仏三昧のなかにおいて、四事の供 養あり。飲食・衣服・臥具・湯薬なり。それを助けて歓喜せしめよ)
過去諸仏 持是【念阿弥陀仏】三昧 四事助歓喜 皆得成仏 
過去の諸仏もこの念阿弥陀仏三昧を持ちて、四事をもつて助けて歓喜せしめてみな成仏 を得たまへり。
現在十方諸仏亦持是【念仏】三昧 四事助歓喜 皆得作仏
現在十方の諸仏もまたこの念仏三昧を持ちて、四事をもつて助けて歓喜せしめてみな作仏を得たまへり。
未来諸仏 亦持是【念仏三昧】 四事助歓喜 皆得作仏
未来の諸仏もまたこの念仏三昧を持 ちて、四事をもつて助けて歓喜せしめてみな作仏を得たまふ。 (観念法門 P.641)

上記のように善導大師は『観念法門』で『般舟三昧経』を取意され、持是三昧を念仏三昧であるとされ「持是【念阿弥陀仏】三昧」と云われた。過去・現在・未来の諸仏は、弥陀念仏三昧に住すというのである。

これを承けた幸西大徳が、『玄義分鈔』で『観経』の三世諸仏浄業正因の意を表す為に『観念法門』から「般舟三昧経には三世諸仏持是念阿弥陀仏三昧 皆得成仏と云えり」と取意され弥陀本仏論を展開された。

この説を受けた覚如上人は、

また『般舟経』にのたまはく、「三世諸仏念弥陀三昧成等正覚」とも説けり。(口伝鈔 P.899)

と仰ったのである。

以上は『玄義分鈔講述』(梯實圓和上)P369~からの取意であるので、詳細は『玄義分鈔講述』を参照されたい。

註釈版では、

また『般舟経』(意)にのたまはく、「三世諸仏念弥陀三昧成等正覚」(意)とも説けり。

と、『般舟経』(実際は観念法門取意の幸西大徳説)、「三世諸仏念弥陀三昧成等正覚」ともに(取意)となっている。