禿人
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とく-にん
外形は頭を剃った出家者のすがたををしているが、実際には戒を破り教えをまもらないもの、或いは生活のための手段として僧になったものを罵る語。禿、禿居士、禿奴、禿婢などともいい愚か者であるから禿屢生(とくるヽせい)、愚禿などとも呼ぶ。まれに僧侶の自称にも用いる。(仏教学辞典)
『涅槃経』「金剛身品」には「破戒不護法者。名禿居士(破戒にして法を護らざる者を、禿居士と名ずく)」とある。→大般涅槃経
日本天台宗の開祖である最澄は「願文」(*)の中で、自らを「愚中極愚。狂中極狂。塵禿有情。底下最澄(愚が中の極愚、狂が中の極狂、塵禿の有情、底下の最澄)」といわれていた。
御開山は、承元の法難によって還俗させられ流罪に処せられたのを機に「爾者 已非僧非俗。是故以禿字為姓(しかればすでに僧にあらず俗にあらず。このゆゑに禿の字をもつて姓とす)」(化巻 P.472)とされ。自らを「愚禿」と名乗っていかれた。
- →僧にあらず俗にあらず
- →愚禿
- →二種深信