いはゆる三経の説時をいふに、『大無量寿経』は、法の真実なるところを説きあらはして対機はみな権機なり。 『観無量寿経』は、機の真実なるところをあらはせり、これすなはち実機なり。いはゆる五障の女人韋提をもつて対機として、とほく末世の女人・悪人にひとしむるなり。 『小阿弥陀経』は、さきの機法の真実をあらはす二経を合説して、「不可以少善根福徳因縁得生彼国」と等説ける。無上大利の名願を、一日七日の執持名号に結びとどめて、ここを証誠する諸仏の実語を顕説せり。