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為楽願生

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為楽願生 いらく-がんしょう

 楽の為に往生を願うこと。曇鸞大師は、菩提心を(おこ)さずに「楽のためのゆゑに生ずることを願ずる(為楽故願生)」者は往生を得ることは出来ないと云われていた。

 王舎城所説の『無量寿経』(下)を案ずるに、三輩生のなかに、行に優劣ありといへども、みな無上菩提の心を発(ほっ)さざるはなし。この無上菩提心とは、すなはちこれ願作仏心なり。願作仏心とは、すなはちこれ度衆生心なり。度衆生心とは、すなはち衆生を摂取して有仏の国土に生ぜしむる心なり。このゆゑにかの安楽浄土に生ぜんと願ずるものは、かならず無上菩提心を発すなり。 もし人、無上菩提心を発さずして、ただかの国土の楽を受くること間なきを聞きて、楽のためのゆゑに生ずることを願ずるは、またまさに往生を得ざるべし。(信巻 P.247で引文)