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了顕

出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』

了顕

 りょうけん 了顕 文明6年 1474没。

 本願寺派。本向坊。本向寺(福井県足羽郡〔福井市〕美山町市波)の6世とされる。蓮如の門弟で、炎上する吉崎坊舎の中に入り、割腹して腹中に親鸞真蹟の教行信証の証巻をおさめて焼死し、焼失から守ったという。伝説では、西本願寺所蔵の本がそれとされ、「はらごもりの聖教」という。(真宗新辞典)

肉付腹籠聖教

◆ 参照読み込み (transclusion) トーク:肉付腹籠聖教

蓮如上人には、奇譚奇瑞の伝説が多くある。この本向坊了顕の逸話も文明6年(1474)の吉崎炎上を元に創作された逸話であろう。
傍証として、御文章集成#吉崎炎上時のお文には、これほどの重大なことが記述されていない。
 なお、本向坊了顕腹籠聖教の逸話の初出は『真宗懐古鈔』であり、寛永(1624~1645)以前の「本向寺記録」を参照したとされる。文明6年(1474)の吉崎炎上から百五十数年以上経過した末寺の本向寺の記録に拠ったとされるのだが疑念の残るところである。

ただドラスティック(過激で極端な)な話なので愛山護法の精神を煽るために盛んに説教などで語られ、事実だとされていったのであろう。