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顕浄土真実教行証文類

出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』

2004年11月16日 (火) 11:42時点における林遊 (トーク | 投稿記録)による版 (法義讃嘆)

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顕浄土真実教行証文類

   顕浄土真実教行証文類 序

法義讃嘆

 ひそかにおもんみれば難思の弘誓難度海を度する大船、無碍の光明は無明の闇を破する恵日なり。

しかればすなはち浄邦縁熟して、調達(提婆達多)、闍世(阿闍世)をして逆害を興ぜしむ。浄業機彰れて、釈迦、韋提をして安養を選ばしめたまへり。

これすなはち権化の仁、斉しく苦悩の群萌を救済し、世雄の悲、まさしく逆謗闡提を恵まんと欲す。ゆゑに知んぬ、円融至徳の嘉号は悪を転じて徳を成す正智、難信金剛の信楽は疑を除き証を獲しむる真理なりと。

勧戒

 しかれば凡小修し易き真教、愚鈍往き易き捷径なり。大聖一代の教、この徳海にしくなし。穢を捨て浄を欣ひ、行に迷ひ信に惑ひ、心昏く識寡く、悪重く障多きもの、ことに如来(釈尊)の発遣を仰ぎ、かならず最勝の直道に帰して、もつぱらこの行に奉へ、ただこの信を崇めよ。

ああ、弘誓の強縁、多生にも値ひがたく、真実の浄信、億劫にも獲がたし。たまたま行信を獲ば、遠く宿縁を慶べ。

もしまたこのたび疑網に覆蔽せられば、かへつてまた曠劫を経歴せん。誠なるかな、摂取不捨の真言、超世希有の正法、聞思して遅慮することなかれ

遇聞の喜

 ここに愚禿釈の親鸞、慶ばしいかな、西蕃・月支の聖典、東夏日域の師釈に、遇ひがたくしていま遇ふことを得たり、聞きがたくしてすでに聞くことを得たり。

造書の意

真宗の教行証を敬信して、ことに如来の恩徳の深きことを知んぬ。ここをもつて聞くところを慶び、獲るところを嘆ずるなりと。


注釈版の本文は別サイトで用意してあるため、ここでは『教行証文類』の宗祖の御自釈を掲載する予定です。

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