横の大菩提心
出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』
おうの-だいぼだい-しん
本願力回向による横超の菩提心のこと。
御開山は、浄土門に横超の大菩提心を顕され「二双四重」の教判をなされた。
- しかるに菩提心について二種あり。一つには竪、二つには横なり。
- また竪についてまた二種あり。一つには竪超、二つには竪出なり。竪超・竪出は権実・顕密・大小の教に明かせり。歴劫迂回の菩提心、自力の金剛心、菩薩の大心なり。また横についてまた二種あり。一つには横超、二つには横出なり。横出とは、正雑・定散、他力のなかの自力の菩提心なり。横超とは、これすなはち願力回向の信楽、これを願作仏心といふ。願作仏心すなはちこれ横の大菩提心なり。これを横超の金剛心と名づくるなり。(信巻 P.246)
「隠/顕」
ところで、菩提心には二種類がある。一つには竪すなわち自力の菩提心、二つには横すなわち他力の菩提心である。また、竪の中に二種がある。一つには竪超、二つには竪出である。この竪超と竪出は、権教・実教、顕教・密教、大乗・小乗の教えに説かれている。これらは、長い間かかって遠回りをしてさとりを開く菩提心であり、自力の金剛心であり、菩薩がおこす心である。また、横の中に二種がある。一つには横超、二つには横出である。横出とは、正行・雑行、定善・散善をおさめて往生を願う、他力の中の自力の菩提心である。横超とは、如来の本願力廻向による信心である。これが願作仏心、すなわち仏になろうと願う心である。この願作仏心は、すなわち他力の大菩提心である。これを横超の金剛心というのである。