仮令の誓願
出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』
けりょうのせいがん 仮令の誓願
阿弥陀仏の四十八願の中、第十九願のこと。願文に「たとひ大衆と囲繞してその人の前に現ぜずは (仮令不与大衆囲繞現其人前者)」(註 18) と説かれていることから、このようにいわれる。「化身土巻」に「仮令の誓願まことに由あるかな」とある。(註 396) →至心発願の願(浄土真宗辞典)
仮令は、仮の意で、たとえばとか、たといと訓じるので方便であるとみられた。
設我得仏 十方衆生 発菩提心 修諸功徳 至心発願 欲生我国 臨寿終時 仮令不与 大衆囲繞 現其人前者 不取正覚。
- たとひわれ仏を得たらんに、十方の衆生、菩提心を発し、もろもろの功徳を修して、至心発願してわが国に生ぜんと欲せん。寿終るときに臨んで、たとひ大衆と囲繞してその人の前に現ぜずは、正覚を取らじ。(大経 P.18)
御開山は、この「仮令」の語に来迎は不確かであり、全体として第十九願は仮の願だと見られたのであろう。
なお御開山は、
と、方便の願まで立てて浄土を欣慕させるのは、まことに意味深いことだと受け取っておられた。