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当得往生

出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』

とうとく-おうじょう

 浄土宗西山派善恵房証空が依用した名目。証空は『観経』の即便往生当得往生の語により二種の往生があることを説いた。即便往生とは平生に直ちに往生を証得することであり、当得往生とは臨終に至って、実際に肉体を捨てて極楽に至ることをいう。

『観経』上品
仏告阿難及韋提希 上品上生者 若有衆生願生彼国者 発三種心即便往生
仏、阿難および韋提希に告げたまはく、上品上生といふは、もし衆生ありてかの国に生ぜんと願ずるものは、三種の心を発して即便往生す。
何等為三。一者至誠心 二者深心 三者廻向発願心。
なんらをか三つとする。一つには至誠心、二つには深心、三つには回向発願心なり。
具三心者 必生彼国。復有三種衆生当得往生
三心を具するものは、かならずかの国に生ず。また三種の衆生ありて、まさに往生を得べし
何等為三。一者 慈心不殺 具諸戒行。二者 読誦大乗方等経典。三者 修行六念。
なんらをか三つとする。一つには慈心にして殺さず、もろもろの戒行を具す。二つには大乗の方等経典を読誦す。三つには六念を修行す。
廻向発願 願生彼国。具此功徳 一日乃至七日 即得往生。
回向発願してかの国に生ぜんと願ず。この功徳を具すること、一日乃至七日してすなはち往生を得。(観経 P.108)

参照WEB版浄土宗大辞典の「即便往生・当得往生」の項目