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権化の仁

出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』

権化の仁

 ごんけのにん。

権化の権は仮(かり)という意で化は教化利益ということ。仁は人に対する親愛を持つ人のこと。衆生を救うために、仮に人の相(すがた)をあらわされた聖者方(権者)という意味。
「総序」に

しかればすなはち浄邦縁熟して、調達(提婆達多)、闍世(阿闍世)をして逆害を興ぜしむ。浄業機彰れて、釈迦、韋提をして安養を選ばしめたまへり。これすなはち権化の仁(ひと)しく苦悩の群萌を救済し、世雄の悲、まさしく逆謗闡提を恵まんと欲す。(総序 P.131)

とあり『観経讃』では、
(78)

弥陀・釈迦方便して
 阿難・目連・富楼那・韋提
 達多・闍王・頻婆娑羅
 耆婆・月光・行雨等 (浄土 P.570)

(79)

大聖おのおのもろともに
 凡愚底下のつみひとを
 逆悪もらさぬ誓願に
 方便引入せしめけり (浄土 P.570)

と、『観経』に登場する権者(聖者)の名を列名しておられる。御開山にとっては『観経』の登場人物は還相の菩薩方であったのであろう。なお行雨は「信巻」で引かれる『涅槃経』の雨行大臣のこと。

権仮
権実
真仮