「権化の仁」の版間の差分
出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』
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− | 権化の権は仮(かり)という意で化は教化利益ということ。仁は人に対する親愛を持つ人のこと。衆生を救うために、仮に人の相(すがた)をあらわされた聖者方(権者)という意味。([[総序#P--131|総序 P.131]]) | + | 権化の権は仮(かり)という意で化は教化利益ということ。仁は人に対する親愛を持つ人のこと。衆生を救うために、仮に人の相(すがた)をあらわされた聖者方(権者)という意味。 |
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+ | :しかればすなはち[[浄邦縁熟して]]、調達([[提婆達多]])、闍世([[阿闍世]])をして逆害を興ぜしむ。[[浄業機彰れて]]、釈迦、[[韋提]]をして[[安養]]を選ばしめたまへり。これすなはち[[権化の仁]]、斉しく苦悩の[[群萌]]を救済し、[[世雄]]の悲、まさしく[[逆謗]][[闡提]]を恵まんと欲す。([[総序#P--131|総序 P.131]]) | ||
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2023年5月30日 (火) 20:49時点における版
権化の仁
ごんけのにん。
権化の権は仮(かり)という意で化は教化利益ということ。仁は人に対する親愛を持つ人のこと。衆生を救うために、仮に人の相(すがた)をあらわされた聖者方(権者)という意味。 [総序]に
- しかればすなはち浄邦縁熟して、調達(提婆達多)、闍世(阿闍世)をして逆害を興ぜしむ。浄業機彰れて、釈迦、韋提をして安養を選ばしめたまへり。これすなはち権化の仁、斉しく苦悩の群萌を救済し、世雄の悲、まさしく逆謗闡提を恵まんと欲す。(総序 P.131)
とあり『観経讃』では、
(78)
- 弥陀・釈迦方便して
- 阿難・目連・富楼那・韋提
- 達多・闍王・頻婆娑羅
- 耆婆・月光・行雨等 (浄土 P.570)
(79)
- 大聖おのおのもろともに
- 凡愚底下のつみひとを
- 逆悪もらさぬ誓願に
- 方便引入せしめけり (浄土 P.570)
と、『観経』に登場する権者(聖者)の名を列名しておられる。御開山にとっては『観経』の登場人物は還相の菩薩方であったのであろう。なお行雨は「信巻」で引かれる『涅槃経』の雨行大臣のこと。