二種の法身
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にしゅのほっしん
出典(教学伝道研究センター編『浄土真宗聖典(注釈版)第二版』本願寺出版社
『浄土真宗聖典(注釈版)七祖篇』本願寺出版社
区切り線以下の文章は各投稿者の意見であり本願寺派の見解ではありません。
『浄土真宗聖典(注釈版)七祖篇』本願寺出版社
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にしゅ-ほっしん 二種法身
法性法身とは、真如法性のさとりそのものである仏身という意で、人間の認識を超えた無色無形無相の絶対的な真理のことをいう。→法身
方便法身とは、衆生を救済するために具体的なかたちあるものとしてあらわれた仏身のことをいう。→報身
曇鸞は『論註』において阿弥陀仏の浄土の広略相入を明かすなかで、
- 「諸仏・菩薩に二種の法身あり。一には法性法身、二には方便法身なり。法性法身によりて方便法身を生ず。方便法身によりて法性法身を出す。この二の法身は異にして分つべからず。一にして同ずべからず」(証巻引文 321)
と述べ、両者は、法性法身によって方便法身を生じ、方便法身によって法性法身をあらわすという関係であり、また異なってはいるが分けることはできず、一つではあるが同じとすることはできないという関係であることを示している。
親鸞は『唯信鈔文意』に、
- 「法身はいろもなし、かたちもましまさず。しかれば、こころもおよばれず、ことばもたえたり。この一如よりかたちをあらはして、方便法身と申す御すがたをしめして、法蔵比丘となのりたまひて」(註 709)
と述べ、法性法身から、自他を分別し執着して苦悩する衆生をよびさまし、万物が本来平等一如であるという真如の世界にかえらしめようと、かたちをあらわし御名を垂れ、大悲の本願をもって救済せんとするのが方便法身すなわち阿弥陀仏であるとする。(浄土真宗辞典)