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荘厳

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しょうごん

 うるわしく身や国土を飾ること。身・口・意の三業(さんごう)をととのえて清浄(しょうじょう)にすること。天親菩薩の『浄土論』には、阿弥陀仏浄土のうるわしさについて二十九種荘厳(にじゅうくしょうごん)を説く。大別して依報(えほう)荘厳に十七種、正報(しょうぼう)荘厳の中、仏荘厳に八種、菩薩荘厳に四種ある。→依正二報 (えしょうにほう)。

出典(教学伝道研究センター編『浄土真宗聖典(注釈版)第二版』本願寺出版社
『浄土真宗聖典(注釈版)七祖篇』本願寺出版社

区切り線以下の文章は各投稿者の意見であり本願寺派の見解ではありません。

三種の荘厳
JDS:象徴 浄土の荘厳は象徴表現である。

◆ 参照読み込み (transclusion) JDS:荘厳

しょうごん/荘厳

ⓈvyūhaⓈalaṃkāraに対応する訳語。前者には飾り、配列、(戦場での)陣形布陣などの意味がある。後者には装飾の意味があり、梵語文学修辞法の一種でもある(例として『現観荘厳論』『大乗荘厳経論』など)。またⓈvyūhaは浄土教とも関係深い語で、『無量寿経』『阿閦あしゅく仏国経』には共に「仏国土功徳荘厳は特別の誓願別願)によって成就する」と説かれ、仏国土誓願成就の果報、さらには仏威神力によって生じた荘厳の総体として捉えている。その荘厳往生以前には人々の憧憬対象となり、往生後には修行を促進させ、成仏に向かわせる理想的な仏道環境となる。世親の『往生論』には、極楽世界荘厳が三種二十九句でまとめられる。ちなみにこの諸荘厳は『摂大乗論』十八円満との関係が指摘されている。三種二十九句のうちわけは仏国土功徳荘厳(一七種)、仏功徳荘厳(八種)、諸菩薩功徳荘厳(四種)で、これらの荘厳一法句におさめられ、その一法句は「真実智慧無為法身」とされる。


【参考】梶山雄一「浄土の所在」(『渡辺文麿博士追悼記念論集 原始仏教と大乗仏教』下、永田文昌堂、一九九三)、袴谷憲昭・荒井裕明『大乗荘厳経論』(『新国訳大蔵経』瑜伽・唯識部一二、大蔵出版、一九九三)、村上真完「極楽の荘厳(vyūha)」(『髙橋弘次先生古稀記念論集 浄土学仏教学論叢』二、山喜房仏書林、二〇〇四)


【参照項目】➡入一法句


【執筆者:中御門敬教】


美しく厳かに飾ること。極楽浄土荘厳から転じて、本堂内の荘厳とその荘厳具をいう。本堂内の荘厳は「三経一論」と「観無量寿経変相図」などに基づいて配置される。本堂内の須弥壇しゅみだん天蓋てんがい華鬘けまん高座などすべてが荘厳具である。仏華・供養物を始めとしたすべての飾り付けは、「信は荘厳より生ず」というように、「念仏と調和する荘厳」が重要である。


【参考】『浄土宗荘厳全書』(四季社、一九九六)


【参照項目】➡荘厳具


【執筆者:福西賢雄】