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一念大利

出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』

  • ここでの一念は一声の なんまんだぶのこと。

いちねん-だいり 一念大利

 一念に大いなる利益がそなわるということ。『大経』弥勒付属の文には

「それかの仏の名号を聞くことを得て、歓喜踊躍して乃至一念せんことあらん。まさに知るべし、この人は大利を得とす。すなはちこれ無上の功徳を具足するなり」(註 81)

と説かれている。親鸞は、この文にある「一念」を行の一念とみて、『一多文意』に

「一念は功徳のきはまり、一念に万徳ことごとくそなはる、よろずの善みなおさまるなり」(註 685)

と述べ、一念に大きな利益があることを示した。また、『浄土和讃』には

「阿弥陀仏の御名をきき 歓喜讚仰せしむれば 功徳の宝を具足して 一念大利無上なり」 (註 561)

とあり、「国宝品」 左訓には 「涅槃に入るを大利といふなり」 とある。行の一念(浄土真宗辞典)

弥勒付属の一念
無上の功徳