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「領解文とその意訳」の版間の差分

出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』

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2023年5月10日 (水) 23:07時点における最新版

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領解文

領解文とその意訳

 もろもろの雑行雑修自力のこころをふりすてて、一心に阿弥陀如来、われらが今度の一大事の後生御たすけ候へとたのみまうして候ふ。

 わたくしは、さまざまな(はから)いをまじえた自力の心をなげ捨てて、「阿弥陀さま、わたくしの(きた)るべき浄土往生の一大事について、あなたの救いの働きにおまかせします」と、ただ一心にたのみにいたしております。[1]

 たのむ一念のとき、往生一定御たすけ治定と存じ、このうへの称名は、御恩報謝と存じよろこびまうし候ふ。

 如来におまかせしたとき、往生成仏の身と定まり、如来の救いは確定したと信じて、その後の称名念仏は、如来のご恩に報いるものであると、喜びのうちにお称え申しております。

 この御ことわり聴聞申しわけ候ふこと、御開山聖人(親鸞)御出世の御恩、次第相承の善知識のあさからざる御勧化の御恩と、ありがたく存じ候ふ。

 この「信心正因称名報恩」の道理が聞きわけられたことも、浄土真宗を開かれた親鸞聖人がこの世におでましなされたおかげ、また、その後、代々、教えをひき継がれたよき導き手の方がたのお勧めのおかげであると、ありがたく存じております。

 このうへは定めおかせらるる御掟(おんおきて)一期をかぎりまもりまうすべく候ふ。

 このように念仏申す身となったからには、定めおかれた御きまりは、生涯、守り通す決心でおります。


  1. 頼むとあったのをたのむとした。御開山はたのむの漢字表記は憑むとされておられた。