「即往生」の版間の差分
出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』
(同じ利用者による、間の2版が非表示) | |||
5行目: | 5行目: | ||
{{Copyright}} | {{Copyright}} | ||
---- | ---- | ||
+ | :➡[https://www.kanjipedia.jp/kanji/0004330600 即] | ||
*[[便往生]]の対義語。 | *[[便往生]]の対義語。 | ||
『観経』上品上生段に、 | 『観経』上品上生段に、 | ||
:上品上生者 若有衆生願生彼国者 発三種心'''即便往生'''。 | :上品上生者 若有衆生願生彼国者 発三種心'''即便往生'''。 | ||
− | ::上品上生といふは、もし衆生ありてかの国に生ぜんと願ずるものは、三種の心を発して'''[[即便往生]]'''す。 | + | ::上品上生といふは、もし衆生ありてかの国に生ぜんと願ずるものは、三種の心を発して'''[[即便往生]]'''す。([[観経#P--108|観経 P.108]]) |
と[[即便往生]]とある。この即便の即も便もすなわちといふ意味であり和語では即便をすなわと訓じる。 | と[[即便往生]]とある。この即便の即も便もすなわちといふ意味であり和語では即便をすなわと訓じる。 | ||
− | ところが御開山は、これを即と便に分けて考察され、「即」は[[第十八願]]の「[[難思議往生]] | + | ところが御開山は、これを即と便に分けて考察され、「即」は[[第十八願]]の「[[難思議往生]]」、「便」は[[第十九願]]の「[[双樹林下往生]]」をあらわしているとみられた。便にはかたわら、端に寄った所といふ意味もあるからであろう。<br /> |
− | + | これは「化巻」([[P:392|P.392]]) で方便の願([[第十九願]])を考察されて、 | |
− | :また二種の三心あり。また[[二種の往生]] | + | :また二種の三心あり。また[[二種の往生]]あり。二種の三心とは、一つには定の三心、二つには散の三心なり。[[定散]]の心はすなはち自利各別の心なり。二種の往生とは、一つには[[即往生]]、二つには[[便往生]]なり。便往生とはすなはちこれ[[胎生辺地]]、[[双樹林下]]の往生なり。即往生とはすなはちこれ報土化生なり。 |
と、二種の往生に分けておられることから判る。また『愚禿鈔下』p.541では、 | と、二種の往生に分けておられることから判る。また『愚禿鈔下』p.541では、 | ||
− | : | + | :また「即往生」とは、これすなはち[[難思議往生]]、真の報土なり。「便往生」とは、すなはちこれ諸機各別の業因果成の土なり、[[胎宮]]・[[辺地]]・[[懈慢界]]、[[双樹林下往生]]なり、また[[難思往生]]なりと、知るべし。 |
とある。 | とある。 | ||
− | + | :→[[即]] 即時 即位の意味。 | |
+ | :→[[便往生]] | ||
[[Category:追記]] <p id="page-top">[[#|▲]]</p> | [[Category:追記]] <p id="page-top">[[#|▲]]</p> |
2024年10月22日 (火) 15:15時点における最新版
そくおうじょう
信の一念の時、即時に正定聚の位につき定まり、真実報土の往生をとげる第十八願の他力の往生をいう。即の字に速疾(時をへだてない)の意味と正定聚の位につくという意味がある。→即得往生 (化巻 P.393, 愚禿下 P.541)
出典(教学伝道研究センター編『浄土真宗聖典(注釈版)第二版』本願寺出版社
『浄土真宗聖典(注釈版)七祖篇』本願寺出版社
区切り線以下の文章は各投稿者の意見であり本願寺派の見解ではありません。
『浄土真宗聖典(注釈版)七祖篇』本願寺出版社
区切り線以下の文章は各投稿者の意見であり本願寺派の見解ではありません。
- ➡即
- 便往生の対義語。
『観経』上品上生段に、
と即便往生とある。この即便の即も便もすなわちといふ意味であり和語では即便をすなわと訓じる。
ところが御開山は、これを即と便に分けて考察され、「即」は第十八願の「難思議往生」、「便」は第十九願の「双樹林下往生」をあらわしているとみられた。便にはかたわら、端に寄った所といふ意味もあるからであろう。
これは「化巻」(P.392) で方便の願(第十九願)を考察されて、
- また二種の三心あり。また二種の往生あり。二種の三心とは、一つには定の三心、二つには散の三心なり。定散の心はすなはち自利各別の心なり。二種の往生とは、一つには即往生、二つには便往生なり。便往生とはすなはちこれ胎生辺地、双樹林下の往生なり。即往生とはすなはちこれ報土化生なり。
と、二種の往生に分けておられることから判る。また『愚禿鈔下』p.541では、
とある。