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「難思議・双樹林下・難思」の版間の差分

出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』

 
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2019年11月19日 (火) 12:01時点における最新版

なんじぎ・そうじゅりんげ・なんじ

 親鸞聖人はこの三種の名目(みょうもく)を転用して、第十八願弘願(ぐがん)の往生を難思議往生、第十九願要門の往生を双樹林下往生、第二十願真門の往生を難思往生と分判された。 (法事讃 P.514)

出典(教学伝道研究センター編『浄土真宗聖典(注釈版)第二版』本願寺出版社
『浄土真宗聖典(注釈版)七祖篇』本願寺出版社

区切り線以下の文章は各投稿者の意見であり本願寺派の見解ではありません。

◆ 参照読み込み (transclusion) 六三法門

梯實圓 真宗要論

 宗祖は聖道門を未熟の機を導いて浄土門に入らしめる為の方便の法門と見られたが、更に浄土門の中にも直ちに絶対他力の教えを受け取ることの出来ない自力の機のために設けられた方便の教説があると見られている。

その浄土門内の方便の法門を要門真門の二つに分け。未熟の機は聖道門から要門へ、更に真門へと導かれて最後に真実の法門である弘願他力に帰入すると見られている。そしてこのような方便と真実の法門はもと阿弥陀仏が四十八願の中に設けられていると見、四十八願の中に真実の法門を誓った願(第十八願)と方便の法門たる要門を誓った願(第十九願)と、真門を誓った願(第二十願)とを分判された。

これを宗祖の願海真仮論と呼ぶ。このように四十八願の中に真実の願と方便の願を見られたのは宗祖が初めてである。宗祖はこのような浄土門内の真実と方便の有様を次のような六種の名目をもって詳しく示されていかれた、これを六三法門と呼ぶ。

三 願 三 経 三 門 三 藏 三 機 三往生
第十八願 仏説無量寿経 弘願 福智蔵 正定聚 難思議往生
第十九願 仏説観無量寿経 要門 福徳蔵 邪定聚 双樹林下往生
第二十願 仏説阿弥陀経 真門 功徳蔵 不定聚 難思往生


 福智二荘厳とは六波羅蜜(大乗の行)の布施・持戒・忍辱・精進・禅定の前五波羅蜜を福徳荘厳と呼び、第六の智慧波羅蜜を智徳波羅蜜と呼ぶ。

この福徳・智徳によって仏の果徳を荘厳するから六波羅蜜のことを福智荘厳と呼ぶのである。名号は阿弥陀仏が因位の時、兆載永劫にわたって修行された六波羅蜜の功徳を円かに備え、それを衆生の往生の因として与えられているから、他力迴向の名号を頂いて信受し往生成仏せしめられる弘願の法門(第十八願)を福智藏と呼ぶのである。

尚、福智藏と云う言葉は『行巻』に「福智蔵を円満し、方便蔵を開顕せしむ。」(p.202)と有る。


 次に福徳藏とは要門の法義に名付ける、即ち要門とは定散二善の法門であるが、その散善として三福行が説かれてある。いわゆる世・戒・行の三種の行法がそれである。 この三福の中、行福は大乗の善を意味しているから定善も行福の中に収めることもできる。

即ち要門とは三福行(定善も含め)の功徳によって往生しようと願う法門であるから福徳藏と呼ぶのである。『化身土巻』の始めに「是を以て釈迦牟尼仏、福徳藏を顕説して群生海を誘引し、阿弥陀如来、本と誓願を発して普く諸有海を化したまふ。既にして悲願います、修諸功徳之願と名く、復臨終現前之願と名く、復現前導生之願と名く、復来迎引接之願と名く、亦至心発願之願と名く也。」(p.375) と、第十九願によって開説された『観経』の法門を指して福徳藏と云われているのがそれである。


 功徳藏とは真門自力念仏の法義を指している、即ち『阿弥陀経』の衆因段には『観経』に説かれた定散二善の諸行を小善根福徳の因縁と呼び、このような福徳藏を以て往生を得ることはできないと云い。それに対して多善根多功徳の名号を称えた功徳によって往生せんと願い行ってゆく。

このように名号の功徳に目を付けて念仏しつつ、それを如来迴向のものと気付かずに己が積植(シャクジキ おのれが功徳を積み重ねた)した徳と考え、その功徳を迴向して往生しようと願っているものを功徳藏と呼ばれたのである。

 宗祖は『化身土巻』に「然れば則ち釈迦牟尼仏は、功徳藏を開演して、十方濁世を勧化したまふ。阿弥陀如来は本と果遂の誓を発して(此果遂之願者廿願)」(p.399)と云い、『阿弥陀経』の法義即ち真門を功徳藏と呼ばれたのである。以上の三藏の中、福徳藏と功徳藏を方便藏と名付けている。

梯實圓 真宗要論より

二双四重
真・仮・偽