「補註８」の版間の差分
出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ（WikiArc）』
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'''８ <kana>真実教(しんじつきょう)</kana>''' | '''８ <kana>真実教(しんじつきょう)</kana>''' | ||
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われわれが仏法にふれることができるのは、まず釈尊の説かれた教えによってである。しかし、釈尊の説かれたのは『大経』だけではない。一般に[[八万四千の法門]]といわれるように、膨大な経典が遺されているが、その中で、釈尊が最もお説きになりたかった教えを出世本懐の教という｡ | われわれが仏法にふれることができるのは、まず釈尊の説かれた教えによってである。しかし、釈尊の説かれたのは『大経』だけではない。一般に[[八万四千の法門]]といわれるように、膨大な経典が遺されているが、その中で、釈尊が最もお説きになりたかった教えを出世本懐の教という｡ | ||
| − | 『大経』には、釈尊がふだんと異なったすばらしいすがたでもってこの経を説かれたとあり[[五徳瑞現|(*)]]、また如来が世に出現される理由は、苦悩の<kana>[[群萌]](ぐんもう)</kana>に[[真実の利]]を恵み与えるためであると述べられている。その[[真実の利]] | + | 『大経』には、釈尊がふだんと異なったすばらしいすがたでもってこの経を説かれたとあり[[五徳瑞現|(*)]]、また如来が世に出現される理由は、苦悩の<kana>[[群萌]](ぐんもう)</kana>に[[真実の利]]を恵み与えるためであると述べられている。その[[真実の利]]が、この経に説かれる[[阿弥陀仏]]の本願の救い、すなわち<kana>十方(じっぽう)</kana>の<kana>衆生(しゅじょう)</kana>に無上功徳の<kana>[[名号]](みょうごう)</kana>を与え、万人を平等に救って<kana>[[涅槃]](ねはん)</kana>の[[浄土]]に生れしめようとする教説を指すことはいうまでもない。このように、釈尊がみずから真実の法を説く[[出世本懐]]の経であるといわれているから、真実教とされるのである。 |
親鸞聖人は『大経』の法義を要約して、｢如来の本願を説きて経の<kana>宗致(しゅうち)</kana>とす。すなはち仏の名号をもつて経の体とするなり」([[教巻#宗体を決示する|135]])といい、本願の始終をもって、名号のいわれをあらわした経であるといわれている。 | 親鸞聖人は『大経』の法義を要約して、｢如来の本願を説きて経の<kana>宗致(しゅうち)</kana>とす。すなはち仏の名号をもつて経の体とするなり」([[教巻#宗体を決示する|135]])といい、本願の始終をもって、名号のいわれをあらわした経であるといわれている。 | ||
| − | ところで、この経は阿弥陀仏の[[第十七願]]に応じて説かれたものである。[[第十七願]]の願文には、｢たとひわれ仏を得たらんに、十方世界の無量の諸仏、ことごとく<kana>咨嗟(ししゃ)</kana>（ほめたたえる）して、わが名を称せずは、<kana>正覚(しょうがく)</kana> | + | ところで、この経は阿弥陀仏の[[第十七願]]に応じて説かれたものである。[[第十七願]]の願文には、｢たとひわれ仏を得たらんに、十方世界の無量の諸仏、ことごとく<kana>咨嗟(ししゃ)</kana>（ほめたたえる）して、わが名を称せずは、<kana>[[正覚]](しょうがく)</kana>を取らじ」とあり、十方の諸仏に阿弥陀仏の[[名号]]をほめたたえしめようと誓われている。釈尊が『大経』を説いて本願名号のいわれを顕示されたのは、この第十七願成就のすがたなのである。この真実教にあらわされている本願の名号を、<kana>[[正定業]](しょうじょうごう)</kana>として示されるのが「<kana>行巻(ぎょうかん)</kana>」である。 |
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2018年5月25日 (金) 18:56時点における版
 補 註 |
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| 阿弥陀仏 |
| 往生・真実証・浄土 |
| 機・衆生 |
| 具縛の凡愚・屠沽の下類 |
| 業・宿業 |
| 正定聚 |
| 信の一念・聞 |
| 真実教 |
| 旃陀羅 |
| 大行・真実行 |
| 大信・真実信 |
| 他力・本願力回向 |
| 同朋・同行 |
| 女人・根欠・五障三従 |
| 方便・隠顕 |
| 菩薩 |
| 本願 |
| →七祖 補註へ |
８
真実教とは、釈尊の
われわれが仏法にふれることができるのは、まず釈尊の説かれた教えによってである。しかし、釈尊の説かれたのは『大経』だけではない。一般に八万四千の法門といわれるように、膨大な経典が遺されているが、その中で、釈尊が最もお説きになりたかった教えを出世本懐の教という｡
『大経』には、釈尊がふだんと異なったすばらしいすがたでもってこの経を説かれたとあり(*)、また如来が世に出現される理由は、苦悩の
親鸞聖人は『大経』の法義を要約して、｢如来の本願を説きて経の
ところで、この経は阿弥陀仏の第十七願に応じて説かれたものである。第十七願の願文には、｢たとひわれ仏を得たらんに、十方世界の無量の諸仏、ことごとく
『浄土真宗聖典(注釈版)七祖篇』本願寺出版社
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