「讃阿弥陀仏偈と浄土和讃」の版間の差分
出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ(WikiArc)』
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成仏已来歴十劫 寿命方将無有量<br> | 成仏已来歴十劫 寿命方将無有量<br> | ||
法身光輪遍法界 照世盲冥故頂礼<br> | 法身光輪遍法界 照世盲冥故頂礼<br> | ||
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:成仏よりこのかた十劫を歴たまへり。寿命まさに量りあることなし。 | :成仏よりこのかた十劫を歴たまへり。寿命まさに量りあることなし。 | ||
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: 世の盲冥をてらすなり | : 世の盲冥をてらすなり | ||
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智恵光明不可量 故仏又号'''無量光'''<br> | 智恵光明不可量 故仏又号'''無量光'''<br> | ||
有量諸相蒙光暁 是故稽首真実明<br> | 有量諸相蒙光暁 是故稽首真実明<br> | ||
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:智慧の光明量るべからず。ゆゑに仏をまた無量光と号けたてまつる。 | :智慧の光明量るべからず。ゆゑに仏をまた無量光と号けたてまつる。 |
2018年9月3日 (月) 22:49時点における版
讃阿弥陀仏偈
曇鸞法師作
仏荘厳
南無阿弥陀仏{釈名無量寿傍経奉讃亦曰安養}
阿弥陀陀仏と国土
【1】「隠/顕」
現在西方去此界 十万億刹安楽土
仏世尊号阿弥陀 我願往生帰命礼
- 現に西方この界を去ること、十万億刹の安楽土にまします。
- 仏世尊を阿弥陀と号けたてまつる。われ往生せんと願じて帰命し礼したてまつる。
光寿二無量の徳
【2】「隠/顕」
成仏已来歴十劫 寿命方将無有量
法身光輪遍法界 照世盲冥故頂礼
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</div>
- (3)
- 弥陀成仏のこのかたは
- いまに十劫をへたまへり
- 法身の光輪きはもなく
- 世の盲冥をてらすなり
十二光
【3】「隠/顕」 「隠/顕」
智恵光明不可量 故仏又号無量光
有量諸相蒙光暁 是故稽首真実明
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</div>
- (4)
- 智慧の光明はかりなし
- 有量の諸相ことごとく
- 光暁かぶらぬものはなし
- 真実明に帰命せよ
【4】「隠/顕」
解脱光輪無限斉 故仏又号無辺光
蒙光触者離有無 是故稽首平等覚
- (5)
- 解脱の光輪きはもなし
- 光触かぶるものはみな
- 有無をはなるとのべたまふ
- 平等覚に帰命せよ
【5】「隠/顕」
光雲無礙如虚空 故仏又号無礙光
一切有礙蒙光沢 是故頂礼難思議
- (6)
- 光雲無碍如虚空
- 一切の有碍にさはりなし
- 光沢かぶらぬものぞなき
- 難思議を帰命せよ
【6】「隠/顕」
清浄光明無有対 故仏又号無対光
遇斯光者業繋除 是故稽首畢竟依
- (7)
- 清浄光明ならびなし
- 遇斯光のゆゑなれば
- 一切の業繋ものぞこりぬ
- 畢竟依を帰命せよ
【7】「隠/顕」
仏光照曜最第一 故仏又号光炎王
三塗黒闇蒙光啓 是故頂礼大応供
- (8)
- 仏光照曜最第一
- 光炎王仏となづけたり
- 三塗の黒闇ひらくなり
- 大応供を帰命せよ
【8】「隠/顕」
道光明朗色超絶 故仏又号清浄光
一蒙光照罪垢除 皆得解脱故頂礼
- 道光明朗にして、色超絶したまへり。ゆゑに仏をまた清浄光と号けたてまつる。
- 一たび光照を蒙れば、罪垢除こりてみな解脱を得。ゆゑに頂礼したてまつる。
- (9)
- 道光明朗超絶せり
- 清浄光仏とまうすなり
- ひとたび光照かぶるもの
- 業垢をのぞき解脱をう
【9】「隠/顕」
慈光遐被施安楽 故仏又号歓喜光
光所至処得法喜 稽首頂礼大安慰
- 慈光はるかに被らしめ、安楽を施したまふ。ゆゑに仏をまた歓喜光と号けたてまつる。
- 光の至るところの処法喜を得。大安慰を稽首し頂礼したてまつる。
- (10)
- 慈光はるかにかぶらしめ
- ひかりのいたるところには
- 法喜をうとぞのべたまふ
- 大安慰を帰命せよ
【10】「隠/顕」
仏光能破無明闇 故仏又号智恵光
一切諸仏三乗衆 咸共歎誉故稽首
- 仏光よく無明の闇を破す。ゆゑに仏をまた智慧光と号けたてまつる。
- 一切諸仏・三乗衆、ことごとくともに歎誉したまへり。ゆゑに稽首したてまつる
- (11)
- 無明の闇を破するゆゑ
- 智慧光仏となづけたり
- 一切諸仏三乗衆
- ともに嘆誉したまへり
【11】「隠/顕」
光明一切時普照 故仏又号不断光
聞光力故心不断 皆得往生故頂礼
- 光明一切の時にあまねく照らす。ゆゑに仏をまた不断光と号けたてまつる。
- 光力を聞くがゆゑに、心断えずしてみな往生を得。ゆゑに頂礼したてまつる。
- (12)
- 光明てらしてたえざれば
- 不断光仏となづけたり
- 聞光力のゆゑなれば
- 心不断にて往生す
【12】「隠/顕」
其光除仏莫能測 故仏又号難思議
十方諸仏歎往生 称其功徳故稽首
- その光仏を除きてはよく測るものなし。ゆゑに仏をまた難思議と号けたてまつる。
- 十方諸仏往生を歎じ、その功徳を称したまへり。ゆゑに稽首したてまつる。
- (13)
- 仏光測量なきゆゑに
- 難思光仏となづけたり
- 諸仏は往生嘆じつつ
- 弥陀の功徳を称せしむ
【13】「隠/顕」
神光離相不可名 故仏又号無称光
因光成仏光赫然 諸仏所歎故頂礼
- (14)
- 神光の離相をとかざれば
- 無称光仏となづけたり
- 因光成仏のひかりをば
- 諸仏の嘆ずるところなり
【14】「隠/顕」
光明照曜過日月 故仏号超日月光
釈迦仏歎尚不尽 故我稽首無等等
- 光明照曜すること日月に過ぎたり。ゆゑに仏を超日月光と号けたてまつる。
- 釈迦仏歎じたまふもなほ尽きず。ゆゑにわれ無等等を稽首したてまつる。
- (15)
- 光明月日に勝過して
- 超日月光となづけたり
- 釈迦嘆じてなほつきず
- 無等等を帰命せよ
菩薩荘厳
【15】「隠/顕」
阿弥陀仏初会衆 声聞菩薩数無量
神通巧妙不能算 是故稽首広大会
- (16)
- 弥陀初会の聖衆は
- 算数のおよぶことぞなき
- 浄土をねがはんひとはみな
- 広大会を帰命せよ
【16】「隠/顕」
安楽無量摩訶薩 咸当一生補仏処
除其本願大弘誓 普欲度脱諸衆生
斯等宝林功徳聚 一心合掌頭面礼
- (17)
- 安楽無量の大菩薩
- 一生補処にいたるなり
- 普賢の徳に帰してこそ
- 穢国にかならず化するなれ
【17】「隠/顕」
安楽国土諸声聞 皆光一尋若流星
菩薩光輪四千里 若秋満月映紫金
集仏法蔵為衆生 故我頂礼大心海
- (18)
- 十方衆生のためにとて
- 如来の法蔵あつめてぞ
- 本願弘誓に帰せしむる
- 大心海を帰命せよ
【18】「隠/顕」
又観世音大勢至 於諸聖衆最第一
慈光照曜大千界 侍仏左右顕神儀
度諸有縁不暫息 如大海潮不失時
如是大悲大勢至 一心稽首頭面礼
- (19)
- 観音・勢至もろともに
- 慈光世界を照曜し
- 有縁を度してしばらくも
- 休息あることなかりけり
【19】「隠/顕」
其有衆生生安楽 悉具三十有二相
智恵満足入深法 究暢道要無障礙
随根利鈍成就忍 三忍乃至不可説
宿命五通常自在 至仏不更雑悪趣
除生他方五濁世 示現同如大牟尼
生安楽国成大利 是故至心頭面礼
- (20)
- 安楽浄土にいたるひと
- 五濁悪世にかへりては
- 釈迦牟尼仏のごとくにて
- 利益衆生はきはもなし
【20】「隠/顕」
安楽菩薩承仏神 於一念頃詣十方
不可算数仏世界 恭敬供養諸如来
花香伎楽従念現 宝蓋幢幡随意出
珍奇絶世無能名 散花供養殊星宝
化成花蓋光晃耀 香気普薫莫不周
花蓋小者四百里 乃有遍覆一仏界
随其前後次化去 是諸菩薩僉欣悦
於虚空中奏天楽 雅讃徳頌揚仏恵
聴受経法供養已 未食之前騰虚還
神力自在不可測 故我頂礼無上道
- 安楽の菩薩は仏の神を承けて、一念のあひだに十方に詣る。
- 算数すべからざる仏世界にして、もろもろの如来を恭敬し供養したてまつる。
- 華・香・伎楽、念に従ひて現じ、宝蓋・幢幡、意に随ひて出づ。
- 珍奇なること世に絶れてよく名づくることなし。散華して殊勝の宝を供養したてまつれば、
- 化して華蓋となり、光晃耀し、香気あまねく薫じてあまねからざるはなし。
- 華蓋の小なるものも四百里なり。すなはちあまねく一仏界を覆ふことあり。
- その前後に随ひて次いで化し去る。このもろもろの菩薩みな欣悦す。
- 虚空のなかにおいて天楽を奏し、徳を雅讃し、仏慧を頌揚す。
- 経法を聴受して供養しをはりて、いまだ食せざる前に虚に騰りて還る。
- 神力自在にして測るべからず。ゆゑにわれ無上道を頂礼したてまつる。
- (21)
- 神力自在なることは
- 測量すべきことぞなき
- 不思議の徳をあつめたり
- 無上尊を帰命せよ
【21】「隠/顕」
安楽仏国諸菩薩 夫可宣説随智恵
於己万物亡我所 浄若蓮花不受塵
往来進止若汎舟 利安為務捨適莫
彼己猶空断二想 燃智恵炬照長夜
三明六通皆已足 菩薩万行貫心眼
如是功徳無辺量 是故至心頭面礼
【22】「隠/顕」
安楽声聞菩薩衆 人天智恵咸洞達
身相荘厳無殊異 但順他方故列名
- 安楽の声聞・菩薩衆、人天、智慧ことごとく洞達せり。
- 身相の荘厳殊異なし。ただ他方に順ずるがゆゑに名を列ぬ。
- (22)
- 安楽声聞・菩薩衆
- 人・天智慧ほがらかに
- 身相荘厳みなおなじ
- 他方に順じて名をつらぬ
顔容端正無可比 精微妙躯非人天「隠/顕」
虚無之身無極体 是故頂礼平等力
- (23)
- 顔容端正たぐひなし
- 精微妙躯非人天
- 虚無之身無極体
- 平等力を帰命せよ
【23】「隠/顕」
敢能得生安楽国 皆悉住於正定聚
邪定不定其国無 諸仏咸讃故頂礼
- 敢みてよく安楽国に生ずることを得れば、みなことごとく正定聚に住す。
- 邪定・不定その国になし。諸仏ことごとく讃じたまふ。ゆゑに頂礼したてまつる。
- (24)
- 安楽国をねがふひと
- 正定聚にこそ住すなれ
- 邪定・不定聚くにになし
- 諸仏讃嘆したまへり
【24】「隠/顕」
諸聞阿弥陀徳号 信心歓喜慶所聞
乃曁一念至心者 廻向願生皆得生
唯除五逆謗正法 故我頂礼願往生
- (25)
- 十方諸有の衆生は
- 阿弥陀至徳の御名をきき
- 真実信心いたりなば
- おほきに所聞を慶喜せん
- (26)
- 若不生者のちかひゆゑ
- 信楽まことにときいたり
- 一念慶喜するひとは
- 往生かならずさだまりぬ
- (49)
- 信心歓喜慶所聞
- 乃曁一念至心者
- 南無不可思議光仏
- 頭面に礼したてまつれ
【25】「隠/顕」
安楽菩薩声聞輩 於此世界無比方
釈迦無礙大弁才 設諸仮令示少分
最賤乞人並帝王 帝王復比金輪王
如是展転至六天 次第相形皆如始
以天色像喩於彼 千万億倍非其類
皆是法蔵願力為 稽首頂礼大心力
- (27)
- 安楽仏土の依正は
- 法蔵願力のなせるなり
- 天上天下にたぐひなし
- 大心力を帰命せよ
【26】「隠/顕」
天人一切有所須 無不称欲応念至
一宝二宝無量宝 随心化造受用具
堂宇飲食悉如此 故我稽首無称仏
- (27)
- 安楽国土の荘厳は
- 釈迦無碍のみことにて
- とくともつきじとのべたまふ
- 無称仏を帰命せよ
【27】
諸往生者悉具足 清浄色身無可比
神通功徳及宮殿 服飾荘厳如六天
応器宝鉢自然至 百味嘉嘉餚已満
見色聞香意為食 忽然飽足受適悦
所味清浄無所着 事已化去須復現
晏安快楽次泥洹 是故至心頭面礼
【28】「隠/顕」
十方仏土菩薩衆 及諸比丘生安楽
無量無数不可計 已生今生当亦然
皆曾供養無量仏 摂取百千堅固法
如是大士悉往生 是故頂礼阿弥陀
- (29)
- 已今当の往生は
- この土の衆生のみならず
- 十方仏土よりきたる
- 無量無数不可計なり
【29】「隠/顕」
若聞阿弥陀仏号 歓喜讃仰心帰依
下至一念得大利 則為具足功徳宝
設満大千世界火 亦応直過聞仏名
聞阿弥陀不復退 是故至心稽首礼
【30】「隠/顕」
神力無極阿弥陀 十方無量仏所歎
東方恒沙諸仏国 菩薩無数皆往覲
亦復供養安楽国 菩薩声聞諸大衆
聴受経法宣道化 自余九方亦如是
釈迦如来説偈頌 無量功徳故頂礼
- (32)
- 神力無極の阿弥陀は
- 無量の諸仏ほめたまふ
- 東方恒沙の仏国より
- 無数の菩薩ゆきたまふ
- (33)
- 自余の九方の仏国も
- 菩薩の往覲みなおなじ
- 釈迦牟尼如来偈をときて
- 無量の功徳をほめたまふ
【31】「隠/顕」
諸来無量菩薩衆 為殖徳本致虔恭
或奏天楽歌歎仏 或頌仏恵照世間
或以天花衣供養 或覩浄土興等願
如是聖衆悉現前 蒙八梵声授仏記
一切菩薩増願行 故我頂礼婆伽婆
- (34)
- 十方の無量菩薩衆
- 徳本うゑんためにとて
- 恭敬をいたし歌嘆す
- みなひと婆伽婆を帰命せよ
【32】「隠/顕」
聖主世尊説法時 大衆雲集七宝堂
聴仏開示咸悟入 歓喜充遍皆得道
于時四面起清風 撃動宝樹出妙響
和韻清徹過糸竹 踰於金石無倫比
天花繽紛逐香風 自然供養常不息
諸天復持天花香 百千伎楽用致敬
如是功徳三宝聚 故我運想礼講堂
- (35)
- 七宝講堂道場樹
- 方便化身の浄土なり
- 十方来生きはもなし
- 講堂道場礼すべし
国土荘厳
【33】「隠/顕」
妙土広大超数限 自然七宝所合成
仏本願力荘厳起 稽首清浄大摂受
- (36)
- 妙土広大超数限
- 本願荘厳よりおこる
- 清浄大摂受に
- 稽首帰命せしむべし
【34】「隠/顕」
世界光曜妙殊絶 適悦晏安無四時
自利他利力円満 帰命方便巧荘厳
宝地澄静平如掌 無有山川陵谷阻
若仏神力須則見 稽首不可思議尊
- (37)
- 自利利他円満して
- 帰命方便巧荘厳
- こころもことばもたえたれば
- 不可思議尊を帰命せよ
【35】
道樹高四百万里 周囲由旬有五千
枝葉布里二十万 自然衆宝所合成
月光摩尼海輪宝 衆宝之王而荘厳
周匝垂間宝瓔珞 百千万種色変異
光焔照曜超千日 無極宝網覆其上
一切荘厳随応現 稽首頂礼道場樹
【36】
微風吹樹出法音 普流十方諸仏刹
聞斯音得深法忍 至成仏道不遭苦
神力広大不可量 稽首頂礼道場樹
【37】
樹香樹色樹音声 樹触樹味及樹法
六情遇者得法忍 故我頂礼道場樹
【38】「隠/顕」
蒙道場樹対六根 乃至成仏根清徹
音響柔順無生忍 随力浅深咸得証
此樹威徳所由来 皆是如来五種力
神力本願及満足 明了堅固究竟願
慈悲方便不可称 帰命稽首真無量
- (38)
- 神力本願及満足
- 明了堅固究竟願
- 慈悲方便不思議なり
- 真無量を帰命せよ
【39】「隠/顕」
従世帝王至六天 音楽転妙有八種
展転勝千億万倍 宝樹音麗倍亦然
復有自然妙伎楽 法音清和悦心神
哀婉雅亮超十方 故我稽首清浄楽
- (39)
- 宝林・宝樹微妙音
- 自然清和の伎楽にて
- 哀婉雅亮すぐれたり
- 清浄楽を帰命せよ
【40】「隠/顕」
七宝樹林周世界 光耀鮮明相映発
花菓枝葉更互為 稽首本願功徳聚
- 七宝の樹林世界にあまねし。光耀鮮明にしてあひ映発す。
- 華・菓・枝・葉たがひになる。本願功徳聚を稽首したてまつる。
- (40)
- 七宝樹林くににみつ
- 光耀たがひにかがやけり
- 華菓枝葉またおなじ
- 本願功徳聚を帰命せよ
【41】「隠/顕」
清風時時吹宝樹 出五音声宮商和
微妙雅曲自然成 故我頂礼清浄勲
- (41)
- 清風宝樹をふくときは
- いつつの音声いだしつつ
- 宮商和して自然なり
- 清浄勲を礼すべし
【42】
其土広大無崖際 衆宝羅網遍覆上
金縷殊璣奇異珍 不可名宝為校飾
周匝四面垂宝鈴 調風吹動出妙法
和雅徳香常流布 聞者塵労習不起
此風触身受快楽 如比丘得滅尽定
風吹散花満仏土 随色次第不雑乱
花質柔軟列芬芳 足履其上下四指
随挙足時還如故 用訖地開没無遺
随其時節花六返 不可議報故頂礼
【43】
衆宝蓮花盈世界 一一花百千億葉
其葉光明色無量 朱紫紅緑間五色
煒燁煥爛曜日光 是故一心稽首礼
【44】「隠/顕」
一一花中所出光 三十六百有千億
一一花中有仏身 多少亦如所出光
仏身相好如金山 一一又放百千光
普為十方説妙法 各安衆生於仏道
如是神力無辺量 故我帰命阿弥陀
- 一々の華のなかより出すところの光、三十六百有千億なり。
- 一々の華のなかに仏身あり。多少また出すところの光のごとし。
- 仏身の相好金山のごとし。一々また百千の光を放ち、
- あまねく十方のために妙法を説き、おのおの衆生を仏道に安んず。
- かくのごとき神力辺量なし。ゆゑにわれ阿弥陀を帰命したてまつる。
- (42)
- 一々のはなのなかよりは
- 三十六百千億の
- 光明てらしてほがらかに
- いたらぬところはさらになし
- (43)
- 一々のはなのなかよりは
- 三十六百千億の
- 仏身もひかりもひとしくて
- 相好金山のごとくなり
- (44)
- 相好ごとに百千の
- ひかりを十方にはなちてぞ
- つねに妙法ときひろめ
- 衆生を仏道にいらしむる
【45】「隠/顕」
楼閣殿堂非工造 七宝彫綺化所成
明月殊璫交露漫 各有浴池形相称
八功徳水満池中 色味香潔如甘露
黄金池者白銀沙 七宝池沙互如此
池岸香樹垂布上 栴檀芬馥常流馨
天花彩璨為映飾 水上熠燿若景雲
無漏依果難思議 是故稽首功徳蔵
- (45)
- 七宝の宝池いさぎよく
- 八功徳水みちみてり
- 無漏の依果不思議なり
- 功徳蔵を帰命せよ
【46】
菩薩声聞入宝池 随意浅深如所欲
若須灌身自然注 欲令旋復水尋還
調和冷暖無不称 神開体悦蕩心垢
清明澄潔若無形 宝沙映徹如不深
澹淡廻転相注灌 嬋約容予和人神
微波無量出妙響 随其所応聞法語
或聞三宝之妙章 或聞寂静空無我
或聞無量波羅密 力不共法諸通恵
或聞無作無生忍 乃至甘露灌頂法
随根性欲皆歓喜 順三宝相真実義
菩薩声聞所行道 於是一切悉具聞
三塗苦難名永閉 但有自然快楽音「隠/顕」
是故其国号安楽 頭面頂礼無極尊
- 三塗苦難の名永く閉ぢ、ただ自然快楽の音のみあり。
- このゆゑにその国を安楽と号く。頭面をもつて無極尊を頂礼したてまつる。
- (46)
- 三塗苦難ながくとぢ
- 但有自然快楽音
- このゆゑ安楽となづけたり
- 無極尊を帰命せよ
龍樹菩薩の徳
【47】
本師龍樹摩訶薩 誕形像始理頽綱
関閉邪扇開正轍 是閻浮提一切眼
伏承尊悟歓喜地 帰阿弥陀生安楽
【48】
譬如竜動雲必随 閻浮提放百卉舒
南無慈悲龍樹尊 至心帰命頭面礼
結讃
【49】「隠/顕」
我従無始循三界 為虚妄輪所廻転
一念一時所造業 足繋六道滞三塗
唯願慈光護念我 令我不失菩提心
我讃仏恵功徳音 願聞十方諸有縁
欲得往生安楽者 普皆如意無障礙
所有功徳若大少 廻施一切共往生
南無不可思議光 一心帰命稽首礼
【50】「隠/顕」
十方三世無量恵 同乗一如号正覚
二智円満道平等 摂化随縁故若干
我帰阿弥陀浄土 即是帰命諸仏国
我以一心讃一仏 願遍十方無礙人
如是十方無量仏 咸各至心頭面礼
- (47)
- 十方三世の無量慧
- おなじく一如に乗じてぞ
- 二智円満道平等
- 摂化随縁不思議なり
- (48)
- 弥陀の浄土に帰しぬれば
- すなはち諸仏に帰するなり
- 一心をもちて一仏を
- ほむるは無碍人をほむるなり
- (50)
- 仏慧功徳をほめしめて
- 十方の有縁にきかしめん
- 信心すでにえんひとは
- つねに仏恩報ずべし
讃阿弥陀仏偈
讃一百九十五 礼五十一拝
讃阿弥陀仏偈