「摂取不捨」の版間の差分

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 せっしゅふしゃ
-　『観経』の真身観に説かれている。[[阿弥陀仏]]が、[[念仏]]の行者を<ruby><rb>[[光明]]</rb><rp>(</rp><rt>こうみょう</rt><rp>)</rp></ruby>のなかにおさめ救いとって決して捨てないこと。親鸞聖人は、これを阿弥陀仏という名のいわれとする。([[観経#P--102|観経 P.102]],[[一多#P--679|一多 P.679]]、[[往生要集上巻 (七祖)#P--890|要集 P.890]]、[[往生要集上巻 (七祖)#P--893|要集 P.893]])
+　『観経』の[[真身観]]に説かれている。[[阿弥陀仏]]が、[[念仏]]の行者を<kana>[[光明]](こうみょう)</kana>のなかにおさめ救いとって決して捨てないこと。親鸞聖人は、これを阿弥陀仏という名のいわれとする。([[観経#P--102|観経 P.102]],[[一多#P--679|一多 P.679]]、[[往生要集上巻 (七祖)#P--890|要集 P.890]]、[[往生要集上巻 (七祖)#P--893|要集 P.893]]、[[往生要集下巻 (七祖)#P--1098|要集 P.1098]])
 {{Copyright}}
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- 十方微塵世界の
+*摂取不捨（<kana>摂(おさ)</kana>め取って捨てず）。
- 　念仏の衆生をみそなはし
+『観経』真身観で、無量寿仏(阿弥陀仏)の光明を讃嘆し、
- 　[[摂取してすてざれば]]
+{{Inyou|
- 　阿弥陀となづけたてまつる
+:一一光明　遍照十方世界　念仏衆生摂取不捨。
- 　　　　　　　　<font size="-1">浄土和讃(82)</font>
+::一々の光明は、あまねく十方世界を照らし、{{DotUL|念仏の衆生を摂取して捨てたまはず。}} ([[観経#P--102|観経 P.102]])
+}}
+と、阿弥陀仏は念仏の衆生を、その光明(智慧)の中に摂(おさ)め取って決して捨てないと説かれている。
+御開山は『尊号真像銘文』で、
+{{Inyou|
+:如来より御ちかひをたまはりぬるには、[[尋常の時節]]をとりて[[臨終の称念]]をまつべからず、ただ如来の至心信楽をふかくたのむべしとなり。
+:この真実信心をえんとき、[[摂取不捨]]の[[心光]]に入りぬれば、[[正定聚]]の位に定まるとみえたり。([[尊号真像銘文#P--644|尊号 P.644]])
+}}
+と、摂取不捨であるから[[正定聚]]に定まるとされておられた。<br />
+御開山は『観経』に[[隠顕]]をみられるのだが、
+{{Inyou|
+:またこの『経』（観経）に真実あり。これすなはち金剛の真心を開きて、[[摂取不捨]]を顕さんと欲す。([[化巻本#P--393|化巻 P.393]])
+}}
+と、金剛の真心と摂取不捨を真実であるとみておられた。
+また、「弥陀経讃」で、
+{{Inyou|
+:十方[[微塵世界]]の
+:　念仏の衆生をみそなはし
+:　[[摂取してすてざれば]]
+:　阿弥陀となづけたてまつる　([[浄土和讃#P--571|浄土 P.571]])
+}}
+とされて、摂取して捨てないから阿弥陀仏と名づけると讃詠されておられる。阿弥陀仏とは摂取不捨であるから阿弥陀仏という[[名義]]なのである。<br />
+このご和讃は、善導大師が『阿弥陀経』の、
+{{Inyou|
+:かの仏の光明無量にして、十方の国を照らすに障碍するところなし。このゆゑに号して阿弥陀とす。([[小経#no4|小経 P.123]])
+}}
+の文と『観経』の
+{{Inyou|
+:一一光明　遍照十方世界　念仏衆生摂取不捨。
+::一々の光明は、あまねく十方世界を照らし、念仏の衆生を摂取して捨てたまはず。([[観経#P--102|観経 P.102]])
+}}
+の文を『往生礼讃』で、
+{{Inyou|
+:問ひていはく、なんがゆゑぞ阿弥陀と号(なづ)けたてまつる。答へていはく、『弥陀経』および『観経』にのたまはく、「かの仏の光明は無量にして十方国を照らすに障礙するところなし」
+:ただ念仏の衆生を観(み)そなはして、摂取して捨てたまはざるがゆゑに阿弥陀と名づけたてまつる。([[往生礼讃 (七祖)#P--662|往生礼讃 P.662]])
+}}
+と、『阿弥陀経』と『観経』の意を合わせて引かれた文によっている。
+なお高田派の国宝本同和讃の「摂取してすてざれば」の左訓には、
+:オサメトル　ヒトタビトリテナガクステヌナリ　セフハモノヽニグルヲオワエトルナリ　セフハオサメトル
+::摂(おさ)めとる。ひとたびとりて永く捨てぬなり。摂はものの逃ぐるを追はへ取るなり。摂はをさめとる、取は迎へとる。→[[摂取してすてざれば]]
+とされておられる。普通に宗教とは、汝と我の対応関係上に成立するのだが、[[本願力の回向]]によって[[浄土]]でさとりが完成する[[浄土真宗]]では、「ものの逃ぐるを追はへ取る」という[[全分他力]]の逆対応のご法義であった。
+:→[[摂取してすてざれば]]
+:→[[本願力の回向]]
+:→[[回向]]
+:→[[他力]]
+:→[[正定聚]]
+:→[[浄土真宗]]
+:→[[念仏衆生摂取不捨]]
+<p style="word-wrap: break-word;">
+➡ [[P:132|132]],[[P:393|393]],[[P:484|484]],[[P:509|509]],[[P:539|539]],[[P:600|600]],[[P:604|604]],[[P:644|644]],[[P:659|659]],[[P:662|662]],[[P:663|663]],[[P:664|664]],[[P:702|702]],[[P:735|735]],[[P:758|758]],[[P:761|761]],[[P:777|777]],[[P:778|778]],[[P:792|792]],[[P:797|797]],[[P:798|798]],[[P:831|831]],[[P:846|846]],[[P:848|848]],[[P:859|859]],[[P:860|860]],[[P:864|864]],[[P:875|875]],[[P:924|924]],[[P:935|935]],[[P:936|936]],[[P:964|964]],[[P:970|970]],[[P:976|976]],[[P:1022|1022]],[[P:1088|1088]],[[P:1094|1094]],[[P:1115|1115]],[[P:1129|1129]],[[P:1144|1144]],[[P:1193|1193]],[[P:1199|1199]],[[P:1297|1297]],[[P:1404|1404]],[[P:1410|1410]]
+</p>
-高田派の国宝本『三帖和讃』の左訓[[摂取してすてざれば]]を参照。
+[[Category:追記]]
+<p id="page-top">[[#|▲]]</p>

「摂取不捨」の版間の差分

出典: 浄土真宗聖典『ウィキアーカイブ（WikiArc）』

2024年11月15日 (金) 09:38時点における最新版